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甘酒の健康効果を解説!糖尿病の人が飲むときの注意点とは

甘酒は「飲む点滴」と言われるほど、健康な毎日に欠かせない成分が詰まっています。また美容にもいいとされる成分が含まれており、まさに日本のスーパーフードと言えます。
では甘酒に含まれる成分には何があって、どのように役立つのでしょうか。

今回は甘酒の健康や美容効果を紹介するとともに、おすすめの飲み方や注意点、簡単レシピをご紹介します。糖尿病の人が飲む際の注意点もあわせて解説しますので、甘酒を毎日の生活に取り入れたい人はぜひご覧ください。

目次

甘酒の種類


甘酒には「糀」「酒かす」の2種類があります。それぞれ違った方法で製造されるため、メリットも異なります。では、どんな特徴やメリットがあるのか見ていきましょう。

酒かす

酒かすタイプの甘酒は酒かすを煮溶かし、砂糖を加えて作られます。すぐに完成するので家庭でも作りやすく、手軽に飲めるのがうれしいポイントです。砂糖の量を変えて好みの甘さに調整したり、しょうがを加えて温活に役立てることも可能です。

また酒かすに含まれるペプチドには、血圧の上昇を抑える効果が確認されています。血圧が高めの方にとって、毎日1杯の甘酒はいい効果をもたらすのかもしれません。

さらに酒かすにはフェルラ酸、a-EG、コウジ酸など、美肌作りにも役立つ成分が含まれています。おいしく甘酒を飲みながら美肌効果も期待できるのは朗報ではないでしょうか。

糀タイプの甘酒は米糀と米をあわせて一定温度で熟成させて作られます。実は糀タイプの甘酒は砂糖を使用していません。なのになぜ甘いのかというと、米糀が米のでんぷんを分解するとブドウ糖に変わるからです。

また酒かすタイプとは違いアルコールは含まれていないので、小さな子どもや妊婦さんでも安心して召し上がっていただけます。運転前やアルコールに弱い方でも飲めるため、すべての方におすすめできるタイプです。

酒かすと糀、どちらも違った特徴を持ちますが、飲むタイミングや人を選ばないのは糀タイプだと言えます。

甘酒に含まれる栄養素


甘酒にはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。ひとつずつ整理していきましょう。

ブドウ糖

糀から作られる甘酒には、ブドウ糖が多く含まれます。ブドウ糖は単糖といって、これ以上分解できない形になっています。つまり体内で分解する必要がないため、スポーツ時や勉強で頭を使うときなど、素早くエネルギーを補給したいときに適しています。

オリゴ糖

糖類の一種であるオリゴ糖はビフィズス菌のエサになり、腸内環境を整える働きがあります。消化されにくく大腸でしっかりとどまるため、便秘や下痢などの改善にも役立つと言われています。

必須アミノ酸

必須アミノ酸とは人の体内で合成できないアミノ酸のこと。糀タイプの甘酒には「バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン」の9種類がバランスよく含まれています。
これら必須アミノ酸には、筋肉の合成や疲労感の軽減、リラックス効果などがあるとされています。

ポリフェノール

ポリフェノールとは抗酸化作用を持つ成分のこと。赤ワインやココアなどに多く含まれていますが、実は糀タイプの甘酒にも含まれているのです。
ポリフェノールには悪玉コレステロールが酸化するのを防ぐ効果があるため、動脈硬化の予防が期待できます。

食物繊維

甘酒には100gあたり0.4gの食物繊維が含まれています。食物繊維には腸内環境を整えたり、血糖値の上昇をおだやかにしたりする効果があります。
また食物繊維と同様の働きを持つレジスタントプロテインが含まれているのも特徴です。腸内にとどまっている余計な脂質やコレステロールを排出し、毎日の健康維持に役立ちます。

甘酒を飲むメリット


甘酒にはたくさんの栄養素が含まれていることが分かりました。では、具体的にどんなメリットが得られるのでしょうか。

1.素早く脳にエネルギーを補給できる

先ほども触れたように、ブドウ糖は素早くエネルギーに変わる性質があります。そのため脳の唯一のエネルギー源として利用されています。

例えば寝起きはエネルギーが枯渇している状態です。そのままでは脳が正常に働かず、仕事や勉強などのパフォーマンスが落ちるでしょう。そんなときに甘酒を飲むと脳に素早くエネルギーが補給でき、頭がシャキッとするのです。

2.腸内環境を整えるのに役立つ

甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維などの働きにより、健やかな腸内環境作りが期待できます。また甘酒を適温に温めてから飲むことで体内が温められ、腸の動きを促す効果も期待できるでしょう。

3.うるおいのある肌作りに役立つ

乾燥肌を自覚している人に糀タイプの甘酒を飲み続けてもらった結果、肌の水分量が維持されたとの研究結果があります。糀に含まれるグルコシルセラミドが肌の細胞の隙間を埋め、水分を逃げにくくするようです。

また甘酒を飲むことで、毛穴のたるみが改善されたという報告もあります。コラーゲンを分解する酵素の働きを抑えることで、ハリのある引き締まった肌作りに役立つと言われています。
甘酒を飲み続けるだけで美肌作りに役立つのは嬉しい効果です。

4.他の甘い飲み物より血糖値が上がりにくい

糀タイプの甘酒はしっかり甘さがあるのに、他の甘い飲み物よりも血糖値が上がりにくいことが分かっています。甘酒に含まれるオリゴ糖などが、糖の吸収をおだやかにしている可能性があるようです。甘い飲み物が欲しくなったら、甘酒に置き換えるのもいいでしょう。

甘酒を飲むときの注意点


健康や美容にいい甘酒ですが、飲む際に気を付けたいポイントが3つあります。

1.適量を守る

たしかに甘酒は健康維持や美容効果が期待できますが、あくまでも適量を飲んだ場合のみ。飲めば飲むほど健康や美容効果が高まるわけではなく、かえって太る原因となってしまいます。

甘酒の適量は1日あたりコップ1杯(200ml程度)。100gあたり76kcalですので、コップ1杯で152kcalを摂取することになります。間食の目安は200kcalとされているため、やはりコップ1杯が適量でしょう。

2.アルコールに注意

酒かすタイプの甘酒には微量ながらアルコールが含まれています。運転前に飲むと飲酒運転になる可能性もあるため、飲むタイミングには十分注意しましょう。またアルコールを受け付けない方や子ども、妊婦さんも同様に注意が必要です。

3.血糖値上昇が気になる人は分けて飲む

人によっては血糖値が上がりやすい人もいます。甘酒を使った研究結果によると、血糖値が上がりやすい人の場合、1回の量を1/3に減らすと血糖値上昇が抑えられるようです。
血糖値が気になる方は、1日分の量を1度に飲むのではなく、複数回に分けて飲むといいでしょう。

糖尿病の人も飲めるが注意が必要


甘酒は糖尿病の人でも飲めます。ただし、食事療法をしているため注意点を踏まえて飲む必要があります。また人によって状態が異なりますので、一度かかりつけ医や管理栄養士にご相談の上、飲み方を決めてください。

1.1単位(80kcal)にする

糖尿病の食事療法の場合、間食は1単位以内が望ましいとされています。1単位は80kcalなので、甘酒に置き換えると約100mlとなります。1日100mlを目安に、飲み過ぎないように注意しましょう。

2.他に間食を摂る際は表1で調整する

甘酒を甘酒を間食として扱わず、食事の一部として取り入れるケースもあるでしょう。その場合は食事の一部としてカウントし、同じ食事の表1(炭水化物)を1単位少なくするなど、調整をします。
※あくまでも一例ですので、必ず担当医や管理栄養士にご相談ください

例:1600kcal・炭水化物55%の場合の朝食
食パン(6枚切り)を1枚から1/2枚に減量


甘酒を使った簡単レシピ


甘酒は腸活に役立つと説明してきました。甘酒単体で飲むのもいいですが、より腸活効果を上げるなら少しアレンジをしてみませんか。ここでは混ぜるだけの簡単レシピをご紹介します。

豆乳甘酒

豆乳にも腸活に役立つオリゴ糖や食物繊維が含まれています。甘酒に十分な甘さがあるので、無調整豆乳の使用がおすすめです。

材料(1杯分)
甘酒100ml
無調整豆乳100ml

作り方
1.豆乳と甘酒を混ぜ、好みで電子レンジ(600W)で2分程度加熱する。

甘酒ヨーグルト

ヨーグルトは言わずと知れた腸活に役立つ食品です。ヨーグルトと甘酒の比率を変えて、好みの食感に調整するのもおすすめ。こちらも甘酒に十分な甘さがあるので、プレーンヨーグルトをご使用ください。

材料(1杯分)
甘酒80ml
ヨーグルト80g

作り方
1.甘酒とヨーグルトを混ぜ合わせる。

甘酒の健康効果を知って毎日の生活に役立てよう

甘酒はおいしいだけでなく、健康維持や美容に役立つ成分が含まれている優れた食品です。毎日コップ1杯を飲み続けることで、体にうれしい効果が期待できるでしょう。ただし飲み過ぎは逆効果ですので、適量を守ってください。
また糖尿病の人は必ず担当の医師や管理栄養士に相談し、飲む量を決めてくださいね。

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この記事を書いた人

端場愛
管理栄養士
学生寮や老人保健施設で実務経験を積んだのち、フリーランスの管理栄養士に。食べ物と体の関係を分かりやすく伝え、少しでも多くの人に健康になってもらうことを目標に、ライターとして活動中。

監修者紹介

木村眞樹子医師
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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