安心は、食材から――「健康宅配」の食材選びの舞台裏
プロフィール



商品開発部 健康惣菜開発2課 岡田 香菜
2008年入社。治療食を中心としたチルド商品の開発を経て、現在は『健康おせち』『うなぎめし』などの冷凍商品の開発を担当。

商品開発部 健康惣菜開発2課 浜島 彩
2012年入社。工場での8カ月間の研修後、商品開発部に所属。チルド・冷凍弁当の開発を幅広く経験し、現在は冷凍ラーメン『オヒカエメン』など、冷凍商品の開発を担当。
「安全」と「おいしい」を満たす食材の選び方


健康食の宅配において、大前提となるのが安全性です。武蔵野フーズでは、食品安全マネジメント協会(JFSM)が開発・運営する食品マネジメント規格「JFS-B規格」を取得。食品の安全管理手法であるHACCP(ハサップ)を基本に、衛生管理や従業員教育などを継続的に行い、『健康宅配』を安全・安心に提供するための仕組みを整えています。
ただし食材選びでは、こうした安全面の基準をクリアしていれば採用されるわけではありません。
「安全・安心であることが基本ですが、同じ食材でも数社からサンプルを取り寄せ、実際に食べ比べて、よりおいしいものを選びます。冷凍したときにどうなるかも、テストして確認しています」(岡田)
食べやすさも重要なポイントです。例えば同じ小松菜でも、仕入先によって調理後の仕上がりが異なります。複数の候補を実際に調理し、味や食感、色合いなどを比較します。
「葉物野菜は茎がかみにくくないか、歯切れが悪くないかどうかも見ています。食べてくださる方のことを考えて、食べやすいものを選ぶようにしています」(浜島)
価格だけで判断することもありません。安価でも、調理すると色が悪くなったり、筋が気になったりする食材もあるため、実際に調理した状態を自分たちで確かめて検討しています。
一つの食材を約3カ月かけてチェック


食材が採用されるまでには、いくつもの段階があります。
まずメーカーからサンプルや見積もり、規格書を取り寄せて、開発担当者が実際に調理します。ゆでる、焼く、炒めるといった調理法をひと通り試し、色や食感、味を確認。加熱後にどの程度重量が残るかという「歩留(ぶど)まり」もチェックします。
さらに冷凍状態の原料を広げ、傷みや異物がないか、袋に破損がないかも確認します。調理後には実際に冷凍し、再加熱しても味や食感に問題がないかまで確かめます。
安全面では、規格書の内容を品質管理部門とともに確認し、社内基準と照合します。不足する情報があればメーカーに確認・修正を依頼し、必要な検査結果がそろっていない場合には、自社で検査を行うこともあります。
「規格書の確認やメーカーとのやりとりなど、準備にも時間が必要です。さらに調理やロットテストなどの工程も含めると、採用まで約3カ月かかります」(岡田)
候補に挙がった原料は、ロットテスト(工場の設備を使う試作)を行います。大量調理をしても想定した品質や歩留まりを保てるか、安定して製造できるかを確認し、問題がなければ採用となります。
採用後も続く品質管理


一度採用した食材も、そのまま使い続けるとは限りません。工場で多くの原料を扱う中で、異物混入などの問題が見つかれば、その情報を商品開発にも共有。状態によっては原料の切り替えを検討します。
「何かあれば工場から情報が上がるように連携して、コミュニケーションを取りながら、より良くしていくために動いています」(浜島)
天候不順や不作、価格高騰などで調達環境が変わることもあります。その際は原料統括部がメーカーなどから情報を集め、商品開発や品質保証部門と連携。品質を保ちながら、必要量を安定して確保できる方法を探ります。
また、原料がどのように生産されたか、履歴を確認することも重要です。
「例えば『うなぎめし』で使用する鹿児島県産うなぎでは、養殖の状況を全てさかのぼってきちんと確認できる、信頼できるメーカーさんと一緒に取り組んでいます」(岡田)
このように、食材を選んだ時点で終わりではなく、その品質が保たれているかを継続して確認することも、商品づくりの一部です。
厳しい基準の先にある「おいしさ」


武蔵野フーズの自社基準は厳格であり、取引先のメーカーからその徹底ぶりについて「厳しい」と言われることもあります。とはいえ、それらの基準を満たすことだけがゴールでもありません。
「品質とおいしさは一緒だと思っています。いくら検査結果が良くても、おいしくなければお客様には届きません。おいしくて、さらに自社の基準をクリアするものを選ぶということを大切にしています」(浜島)
品質を守る取り組みは、商品が完成した後も続きます。冷凍後の商品についても、配送時を想定した容器の落下テストなどを行い、商品への影響を確認しています。
「食材の選定から製造、商品がお客様の手元に届くまで、それぞれの段階で確認を重ねています。そうした確認を一つひとつ積み重ねることが、安心につながっていると思います」(岡田)
食材のサンプルを取り寄せ、実際に調理し、冷凍・再加熱した状態まで確かめる。さらに検査や工場でのテストを経て、採用後も品質を確認し続ける。こうした一つひとつの積み重ねが、『健康宅配』の安全性とおいしさを支えています。

