健康も、おいしさも――「健康宅配」商品開発の舞台裏
プロフィール
商品開発部 健康惣菜開発2課 岡田 香菜
2008年入社。治療食を中心としたチルド商品の開発を経て、現在は『健康おせち』『うなぎめし』などの冷凍商品の開発を担当。

商品開発部 健康惣菜開発2課 浜島 彩
2012年入社。工場での8カ月間の研修後、商品開発部に所属。チルド・冷凍弁当の開発を幅広く経験し、現在は冷凍ラーメン『オヒカエメン』など、冷凍商品の開発を担当。
毎日続けられる「おいしい健康食」を目指して
武蔵野フーズの『健康宅配』は、1997年にチルド(冷蔵)食でのサービスを開始し、2008年から長期保存可能な冷凍食の販売が始まりました。『健康宅配』の利用者には、日々の食事管理が必要な人も多くいます。現在は「塩分・カロリー調整食」や「たんぱく調整食」、はぐきでつぶせるおかずの「やわらか食」など、さまざまなニーズに対応した商品を展開しています。
栄養面に配慮した食事を毎日用意することは、本人だけでなく、食事を支える家族にとっても大きな負担になることがあります。
「食事管理は、栄養計算やメニューの種類も含めてきちんとしようとすればするほど、毎日のことなので大きなストレスになりがちです。とくに家族の中で1人だけ食事内容を変えるとなると、負担はさらに大きくなります」(岡田)
『健康宅配』では、栄養面への配慮だけでなく、「おいしく、飽きずに食べられること」も大切にしてきました。
「健康食というと、味が薄い、メリハリがない、物足りないといったイメージを持つ方も多いため、いろいろな料理を楽しく、おいしく食べていただきたいという思いで開発しています」(浜島)
また商品開発には、利用者から届くさまざまな声を生かしています。
「和食、なかでも魚料理へのご要望は多いですね。中華を食べたいという声も多く、そうした声からヒントをいただきながら商品の種類を広げてきました」(岡田)
2017年には、お客様の声を取り入れながら、大幅なリニューアルを実施。 おいしく食べきれるように量や容器を見直し、和食セット、または肉だけ、魚介だけのセットを用意するなど、改善を重ねています。
利用者の声から生まれた商品もあります。その一つが、糖質40%オフ麺を使った1食300kcal以下、食塩相当量3.3g以下の冷凍ラーメン『オヒカエメン』です。ラーメンやうどんといった麺類を好む人は多いですが、「塩分が多いから食べてはいけない、汁も飲み干せない」と思い、それが我慢やストレスを生んでいます。そうしただれもが安心して麺類を楽しめるよう開発しました。食べたいものを我慢するのではなく、安心して楽しめる選択肢を増やしていきたいと、武蔵野フーズは考えています。
「制限」と「おいしさ」のせめぎ合い

塩分・カロリー調整食は1食の目安が270kcal、食塩相当量2g以下。冷凍たんぱく調整食はたんぱく質10g以下、カリウム500mg以下など、それぞれに定められた調整基準があります。これらを守りながら「おいしさ」を実現しています。
「味付けは、弁当全体のバランスを見ながら、塩分をかける部分と抑える部分、酸味や甘みなどでメリハリをつけています。塩分を抑えつつも、満足感を出す工夫の一つが“だし”のうまみです。水で煮るところをだしに変えるだけで、味の含みがまったく違ってきます。工場の調理過程で丁寧にだしを取り、あんや煮物などに活用することで、ひと味違うおいしさを提供しています」(浜島)
冷凍弁当は、工場で一度加熱してから冷凍し、自宅のレンジで再度加熱するので、食感を保つのが難しくなります。そこで、例えば野菜は、過熱水蒸気で焼き上げることで水分を飛ばし、再加熱したときにも食感や香ばしさを残しています。
こうした工夫は、「やわらか食」シリーズの開発にも生かしています。「やわらか食」では、スプーンですくって歯ぐきで食べられるおかずを実現しました。
「魚や肉などは、すり身やムースにするのではなく、飽和蒸気調理器で煮崩れさせずにやわらかく仕上げることで素材そのものの形や味わいを残しています。固いものを食べられなくなっても、これまでと変わらない味や食感を目指し、食事を楽しんでいただけるよう開発しています」(浜島)
商品化を支える、開発と工場の連携

商品開発と製造現場では、テーブルテスト(少量での試作)と、ロットテスト(工場の設備を使う試作)をくり返し、それぞれの専門性を持ち寄りながら意見交換して、より良い商品に仕上げていきます。
「テーブルテストとロットテストを重ねる中で、実際の工場設備で調理したときの仕上がりを確認し、調理条件や味付けなどを細かく調整しています。また、主菜と副菜の組み合わせや彩りについては、営業からの意見も参考にしながら、よりよい商品になるよう見直しています」(岡田)
「試作は開発チームだけでなく営業担当にも試食してもらいます。営業はお客様に一番近い視点だからこそ、厳しくも参考になる意見をくれます」(浜島)
「食事の楽しみ」を支えるために

商品開発部では、「おいしくて安心・安全な健康宅配」を届けるために、試行錯誤を続けています。
「これからもいろいろな種類のメニューを増やして、日々の生活を彩っていただけるような商品開発をしていきたいです」(浜島) 「幅広い世代に喜んでいただける新メニューや、誰かに贈りたくなるようなギフト商品も展開していけたらと思います」(岡田)
武蔵野フーズは、栄養面への配慮、素材の持ち味を引き出す調理法、衛生・品質管理まで、一つひとつの工程で試行錯誤を重ねてきました。これからも健康とおいしさの両立を追求し、毎日の食事を楽しみにしていただけるよう商品づくりを続けていきます。


