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健康も、おいしさも――「健康宅配」商品開発の舞台裏

健康に配慮した食事に求められるのは、栄養価だけではありません。毎日口にするものだからこそ、「おいしい」「また食べたい」と感じられるかどうかが大切です。

武蔵野フーズでは1997年から、在宅での食事療法や介護などを支える『健康宅配』の健康食を提供してきました。30年にわたり健康食をお届けする中で、おいしさと健康の両立は常に追求してきたテーマです。そこで商品開発に携わる管理栄養士の2人に、「健康でおいしい食事」との向き合い方を聞きました。

目次

プロフィール


商品開発部 健康惣菜開発2課 岡田 香菜

2008年入社。治療食を中心としたチルド商品の開発を経て、現在は『健康おせち』『うなぎめし』などの冷凍商品の開発を担当。



武蔵野フーズ 商品開発部 浜島彩

商品開発部 健康惣菜開発2課 浜島 彩

2012年入社。工場での8カ月間の研修後、商品開発部に所属。チルド・冷凍弁当の開発を幅広く経験し、現在は冷凍ラーメン『オヒカエメン』など、冷凍商品の開発を担当。

毎日続けられる「おいしい健康食」を目指して

武蔵野フーズの『健康宅配』は、1997年にチルド(冷蔵)食でのサービスを開始し、2008年から長期保存可能な冷凍食の販売が始まりました。『健康宅配』の利用者には、日々の食事管理が必要な人も多くいます。現在は「塩分・カロリー調整食」や「たんぱく調整食」、はぐきでつぶせるおかずの「やわらか食」など、さまざまなニーズに対応した商品を展開しています。


栄養面に配慮した食事を毎日用意することは、本人だけでなく、食事を支える家族にとっても大きな負担になることがあります。


「食事管理は、栄養計算やメニューの種類も含めてきちんとしようとすればするほど、毎日のことなので大きなストレスになりがちです。とくに家族の中で1人だけ食事内容を変えるとなると、負担はさらに大きくなります」(岡田)


『健康宅配』では、栄養面への配慮だけでなく、「おいしく、飽きずに食べられること」も大切にしてきました。


「健康食というと、味が薄い、メリハリがない、物足りないといったイメージを持つ方も多いため、いろいろな料理を楽しく、おいしく食べていただきたいという思いで開発しています」(浜島)


また商品開発には、利用者から届くさまざまな声を生かしています。


 「和食、なかでも魚料理へのご要望は多いですね。中華を食べたいという声も多く、そうした声からヒントをいただきながら商品の種類を広げてきました」(岡田)


2017年には、お客様の声を取り入れながら、大幅なリニューアルを実施。 おいしく食べきれるように量や容器を見直し、和食セット、または肉だけ、魚介だけのセットを用意するなど、改善を重ねています。


利用者の声から生まれた商品もあります。その一つが、糖質40%オフ麺を使った1食300kcal以下、食塩相当量3.3g以下の冷凍ラーメン『オヒカエメン』です。ラーメンやうどんといった麺類を好む人は多いですが、「塩分が多いから食べてはいけない、汁も飲み干せない」と思い、それが我慢やストレスを生んでいます。そうしただれもが安心して麺類を楽しめるよう開発しました。食べたいものを我慢するのではなく、安心して楽しめる選択肢を増やしていきたいと、武蔵野フーズは考えています。

「制限」と「おいしさ」のせめぎ合い

塩分・カロリー調整食は1食の目安が270kcal、食塩相当量2g以下。冷凍たんぱく調整食はたんぱく質10g以下、カリウム500mg以下など、それぞれに定められた調整基準があります。これらを守りながら「おいしさ」を実現しています。


「味付けは、弁当全体のバランスを見ながら、塩分をかける部分と抑える部分、酸味や甘みなどでメリハリをつけています。塩分を抑えつつも、満足感を出す工夫の一つが“だし”のうまみです。水で煮るところをだしに変えるだけで、味の含みがまったく違ってきます。工場の調理過程で丁寧にだしを取り、あんや煮物などに活用することで、ひと味違うおいしさを提供しています」(浜島)


冷凍弁当は、工場で一度加熱してから冷凍し、自宅のレンジで再度加熱するので、食感を保つのが難しくなります。そこで、例えば野菜は、過熱水蒸気で焼き上げることで水分を飛ばし、再加熱したときにも食感や香ばしさを残しています。

こうした工夫は、「やわらか食」シリーズの開発にも生かしています。「やわらか食」では、スプーンですくって歯ぐきで食べられるおかずを実現しました。 


「魚や肉などは、すり身やムースにするのではなく、飽和蒸気調理器で煮崩れさせずにやわらかく仕上げることで素材そのものの形や味わいを残しています。固いものを食べられなくなっても、これまでと変わらない味や食感を目指し、食事を楽しんでいただけるよう開発しています」(浜島)

商品化を支える、開発と工場の連携

商品開発と製造現場では、テーブルテスト(少量での試作)と、ロットテスト(工場の設備を使う試作)をくり返し、それぞれの専門性を持ち寄りながら意見交換して、より良い商品に仕上げていきます。


「テーブルテストとロットテストを重ねる中で、実際の工場設備で調理したときの仕上がりを確認し、調理条件や味付けなどを細かく調整しています。また、主菜と副菜の組み合わせや彩りについては、営業からの意見も参考にしながら、よりよい商品になるよう見直しています」(岡田)


「試作は開発チームだけでなく営業担当にも試食してもらいます。営業はお客様に一番近い視点だからこそ、厳しくも参考になる意見をくれます」(浜島)

「食事の楽しみ」を支えるために

商品開発部では、「おいしくて安心・安全な健康宅配」を届けるために、試行錯誤を続けています。


「これからもいろいろな種類のメニューを増やして、日々の生活を彩っていただけるような商品開発をしていきたいです」(浜島) 「幅広い世代に喜んでいただける新メニューや、誰かに贈りたくなるようなギフト商品も展開していけたらと思います」(岡田)


武蔵野フーズは、栄養面への配慮、素材の持ち味を引き出す調理法、衛生・品質管理まで、一つひとつの工程で試行錯誤を重ねてきました。これからも健康とおいしさの両立を追求し、毎日の食事を楽しみにしていただけるよう商品づくりを続けていきます。

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この記事を書いた人

武蔵野フーズ「健康宅配オンラインショップ」
株式会社武蔵野フーズが運営する「健康宅配オンラインショップ」です。「食を通じて皆様の健康で豊かな暮らしに貢献する」をモットーに、管理栄養士監修のもと、栄養バランスと美味しさにこだわったお食事をお届けしています。

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    プロフィール商品開発部 健康惣菜開発2課 岡田 香菜2008年入社。治療食を中心としたチルド商品の開発を経て、現在は『健康おせち』『うなぎめし』などの冷凍商品の開発を担当。商品開発部 健康惣菜開発2課 浜島 彩2012年入社。工場での8カ月間の研修後、商品開発部に所属。チルド・冷凍弁当の開発を幅広く経験し、現在は冷凍ラーメン『オヒカエメン』など、冷凍商品の開発を担当。「安全」と「おいしい」を満たす食材の選び方健康食の宅配において、大前提となるのが安全性です。武蔵野フーズでは、食品安全マネジメント協会(JFSM)が開発・運営する食品マネジメント規格「JFS-B規格」を取得。食品の安全管理手法であるHACCP(ハサップ)を基本に、衛生管理や従業員教育などを継続的に行い、『健康宅配』を安全・安心に提供するための仕組みを整えています。ただし食材選びでは、こうした安全面の基準をクリアしていれば採用されるわけではありません。「安全・安心であることが基本ですが、同じ食材でも数社からサンプルを取り寄せ、実際に食べ比べて、よりおいしいものを選びます。冷凍したときにどうなるかも、テストして確認しています」(岡田)食べやすさも重要なポイントです。例えば同じ小松菜でも、仕入先によって調理後の仕上がりが異なります。複数の候補を実際に調理し、味や食感、色合いなどを比較します。「葉物野菜は茎がかみにくくないか、歯切れが悪くないかどうかも見ています。食べてくださる方のことを考えて、食べやすいものを選ぶようにしています」(浜島)価格だけで判断することもありません。安価でも、調理すると色が悪くなったり、筋が気になったりする食材もあるため、実際に調理した状態を自分たちで確かめて検討しています。一つの食材を約3カ月かけてチェック食材が採用されるまでには、いくつもの段階があります。まずメーカーからサンプルや見積もり、規格書を取り寄せて、開発担当者が実際に調理します。ゆでる、焼く、炒めるといった調理法をひと通り試し、色や食感、味を確認。加熱後にどの程度重量が残るかという「歩留(ぶど)まり」もチェックします。さらに冷凍状態の原料を広げ、傷みや異物がないか、袋に破損がないかも確認します。調理後には実際に冷凍し、再加熱しても味や食感に問題がないかまで確かめます。安全面では、規格書の内容を品質管理部門とともに確認し、社内基準と照合します。不足する情報があればメーカーに確認・修正を依頼し、必要な検査結果がそろっていない場合には、自社で検査を行うこともあります。「規格書の確認やメーカーとのやりとりなど、準備にも時間が必要です。さらに調理やロットテストなどの工程も含めると、採用まで約3カ月かかります」(岡田)候補に挙がった原料は、ロットテスト(工場の設備を使う試作)を行います。大量調理をしても想定した品質や歩留まりを保てるか、安定して製造できるかを確認し、問題がなければ採用となります。採用後も続く品質管理一度採用した食材も、そのまま使い続けるとは限りません。工場で多くの原料を扱う中で、異物混入などの問題が見つかれば、その情報を商品開発にも共有。状態によっては原料の切り替えを検討します。「何かあれば工場から情報が上がるように連携して、コミュニケーションを取りながら、より良くしていくために動いています」(浜島)天候不順や不作、価格高騰などで調達環境が変わることもあります。その際は原料統括部がメーカーなどから情報を集め、商品開発や品質保証部門と連携。品質を保ちながら、必要量を安定して確保できる方法を探ります。また、原料がどのように生産されたか、履歴を確認することも重要です。「例えば『うなぎめし』で使用する鹿児島県産うなぎでは、養殖の状況を全てさかのぼってきちんと確認できる、信頼できるメーカーさんと一緒に取り組んでいます」(岡田)このように、食材を選んだ時点で終わりではなく、その品質が保たれているかを継続して確認することも、商品づくりの一部です。厳しい基準の先にある「おいしさ」武蔵野フーズの自社基準は厳格であり、取引先のメーカーからその徹底ぶりについて「厳しい」と言われることもあります。とはいえ、それらの基準を満たすことだけがゴールでもありません。「品質とおいしさは一緒だと思っています。いくら検査結果が良くても、おいしくなければお客様には届きません。おいしくて、さらに自社の基準をクリアするものを選ぶということを大切にしています」(浜島)品質を守る取り組みは、商品が完成した後も続きます。冷凍後の商品についても、配送時を想定した容器の落下テストなどを行い、商品への影響を確認しています。「食材の選定から製造、商品がお客様の手元に届くまで、それぞれの段階で確認を重ねています。そうした確認を一つひとつ積み重ねることが、安心につながっていると思います」(岡田)食材のサンプルを取り寄せ、実際に調理し、冷凍・再加熱した状態まで確かめる。さらに検査や工場でのテストを経て、採用後も品質を確認し続ける。こうした一つひとつの積み重ねが、『健康宅配』の安全性とおいしさを支えています。

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