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腎臓病に良い飲み物とは?選び方のポイントやコーヒー・お酒との付き合い方も紹介

腎臓病と診断されると、「水分を制限しなければならない」「好きな飲み物が飲めない」と心配になるかもしれません。しかし実際には、水分の摂り方や注意すべき飲み物は腎臓病の進行具合によって異なり、なかには水分制限が必要ないケースもあります。 この記事では、腎臓の働きから、腎臓病と水分の関係、控えたい飲み物、おすすめの飲み物までをわかりやすく解説します。気になるコーヒーやお酒との付き合い方も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次

腎臓の働き

腎臓は腰の上あたりに左右ひとつずつある、握りこぶしほどの大きさの臓器です。そらまめのような形をしており、動脈や静脈、尿管がつながっています。 腎臓の主な役割は、血液をろ過し、老廃物や余分な水分を尿として体外に排出することです。尿の量や成分を調整し、体内の水分量やナトリウム・カリウムといった電解質、酸性・アルカリ性のバランスを一定に保っています。 さらに、体内の塩分濃度や水分量を調整し、血圧をコントロールする働きも担っており、腎臓は体内の環境を維持するために重要な臓器といえます。

腎臓病と水分の関係

腎臓病になると水分制限が必要になる、というイメージを持っている方も多いかもしれません。しかし、病気がかなり進行していない限り、基本的に水分制限は必要ないとされています。 むしろ、水分が不足して脱水状態になると、腎臓に巡る血液量が減り、腎機能が急激に低下するおそれがあります。「喉が渇いたから水を飲む」といった適量の水分摂取であれば、腎臓に影響することはありません。腎機能の悪化を指摘された場合には一日に1~1.5L程度、積極的に水分を摂取することをおすすめします。 透析が必要なほど腎臓病が進行した場合は、水分制限が必要です。腎臓の機能が低下すると尿を正常に排出できなくなり、老廃物や余分な水分が体にたまりやすくなるため、健康に悪影響が生じます。また、むくみや心不全などを合併している場合も、水分制限が必要になることがあります。

腎臓病で控えたい飲み物

腎臓病の進行具合によっては、水分制限が必要ないケースがあります。しかし、腎臓に負担をかける飲み物には注意が必要です。ここでは、腎臓病の方が控えたい飲み物を紹介します。

カリウムを含む飲み物

腎臓病が進行し、カリウムの摂取量を制限されている場合は、フルーツジュースや野菜ジュース、青汁などのカリウムを多く含む飲み物は避けましょう。 カリウムは、体内の水分バランスの調整に関わるミネラルです。健康な人であれば過剰なカリウムは尿とともに排出されますが、腎機能が低下すると余分なカリウムが体にたまりやすくなります。その結果、高カリウム血症を引き起こし、筋力の低下や不整脈につながることがあります。

リンを含む飲み物

腎機能が大きく低下した場合や、人工透析を導入する段階では、リンの制限が必要になります。リンを多く含む飲み物には、玉露や抹茶、ココア、豆乳などがあります。 リンは、骨や歯の成分となるほか、細胞膜やDNAにも存在するミネラルです。通常は腎臓で血液中の量が調整されていますが、腎機能が低下すると余分なリンを排出できなくなります。血液中にリンがたまって高リン血症が起こると、動脈硬化や血管石灰化を引き起こすことがあります。 なお、牛乳やヨーグルトドリンクにはリンとカリウムがどちらも多く含まれているため、摂りすぎないようにしましょう。

糖分を含む飲み物

清涼飲料水などの糖分を多く含む飲み物は、血糖値の上昇をまねきやすく、糖尿病につながるおそれがあるため避けましょう。 腎臓には、糸球体と呼ばれる細い血管が集まった組織があります。糖尿病になり血糖値が高い状態が続くと、血管が傷つきやすくなるため、糸球体もダメージを受けて腎機能が低下しやすくなります。 また、肥満は腎臓病の進行リスクを高めることから、摂取エネルギーを抑えるうえでも、糖分を含む清涼飲料水は控えた方がよいでしょう。 清涼飲料水のなかでも、スポーツ飲料には糖分だけでなく塩分やカリウムも含まれています。塩分の摂りすぎは血圧が上昇する原因となり、腎臓にさらなる負担をかけてしまいます。また、一部の炭酸飲料にはリン酸塩が添加されている点にも気をつけましょう。

腎臓病に良い飲み物

腎臓病の方の日常的な水分補給には、カリウムやリンが少なく、糖分を含まない飲み物がおすすめです。具体的には、水や麦茶、玄米茶、ウーロン茶などが挙げられます。これらの飲み物は、適量を守れば腎臓に負担をかけにくく、腎臓病の方でも安心して飲めるでしょう。 ただし、お茶は抽出時間が長くなるほどカリウムやリンの量が増えるため、濃く出しすぎないように意識しましょう。

代表的な飲み物のエネルギー・カリウム・リン(100gあたり)

飲み物エネルギー(kcal)カリウム(mg)リン(mg)
麦茶161
玄米茶071
ウーロン茶0131
煎茶2272
玉露534030
バレンシアオレンジ濃縮還元ジュース4619018
野菜ミックスジュース2123019
調製豆乳6117044
普通牛乳6115093
コーヒー4657
紅茶182

出典:文部科学省,「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

腎臓病と飲み物についてよくある質問

ここでは、腎臓病と飲み物についてよく寄せられる質問に回答します。

カフェインを含む飲み物は飲んでもいい?

カフェインを含む飲み物は利尿作用があることから、腎臓病の方は摂取を控えるべきとされてきました。しかし近年では、コーヒーに含まれる抗酸化物質や抗炎症物質が、腎臓病の進行を抑制する可能性があるとして注目されています。 ただし、コーヒーはカリウムを比較的多く含むため、飲みすぎには注意が必要です。また、ミルクや砂糖を加えると、リンや糖分の摂取量が増えてしまうことから、できる限り控えた方がよいでしょう。 紅茶や緑茶にもカフェインは含まれますが、コーヒーほど多くはなく、カリウムやリンの含有量も少なめです。とはいえ、適切な摂取量には個人差があるため、医師と相談しながら決めるようにしましょう。 コーヒーや紅茶、緑茶と一緒に食べたいおやつの選び方については、こちらの記事もあわせてご覧ください。 腎臓病でもおやつは食べられる?管理栄養士が教える選び方や注意点

お酒は腎臓病に影響する?

アルコール摂取量が1日20g程度の「節度ある適度な飲酒」であれば、腎臓病の進行リスクを高めないと考えられています。研究報告のなかには、むしろ進行を抑える可能性を示すものもあります。ただし、適切な摂取量は個人差が大きいため、自己判断は避け、医師に相談しましょう。 なお、お酒の成分にも注意が必要です。ウイスキーやブランデーなどの蒸留酒はカリウムやリンが少ない一方で、ワインは比較的カリウムを多く含みます。

代表的なお酒のエネルギー・カリウム・リン(100gあたり)

飲み物エネルギー(kcal)カリウム(mg)リン(mg)
ビール393415
日本酒10757
ウィスキー2341Tr
フランデー2341Tr
白ワイン756012
赤ワイン6811013

出典:文部科学省,「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
※「Tr」は食品中に微量に含まれるが、数値化するに足る量ではないことを示します

熱中症や脱水が心配なときは、経口補水液を取り入れてもいい?

経口補水液とは、脱水時にすばやく水分とミネラルを補給するための飲み物です。一般的なスポーツ飲料よりもナトリウムやカリウムの量が多く、糖分も含まれています。熱中症や脱水の予防に役立つものですが、健康な人であっても日常的に飲むものではないとされています。 腎臓病の方が経口補水液を利用すると体に負担をかけるおそれがあるため、自己判断で取り入れず、必ず医師に相談してください。

腎臓病に良い飲み物を選んで、上手に水分補給を

腎臓病では、病気の進行具合によって摂取可能な水分量や注意すべき成分が異なります。カリウムやリン、糖分の量を意識しながら、自分に合った飲み物を選びましょう。 腎臓に負担をかけないためには、飲み物だけでなく食事にも配慮することが大切です。とはいえ、栄養成分を考えながら毎日の食事を用意するのは簡単ではありません。そんなときに便利なのが、健康宅配オンラインショップの「健康美膳 たんぱく調整食セット」です。 「健康美膳 たんぱく調整食セット」には、管理栄養士によって栄養価計算がされた食事が詰め合わされています。たんぱく質だけでなく、エネルギーや塩分、カリウムなども調整されており、食事制限がある方でも取り入れやすく作られています。 冷凍でお届けするため、常備しておき、忙しいときに利用するといった使い方も可能です。飲み物選びに気をつけながら、「健康美膳 たんぱく調整食セット」も活用して、無理なく水分・食事管理を続けましょう。

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この記事を書いた人

石本 めぐみ
管理栄養士
国立大学文学部を卒業して一般企業に勤務。その後、管理栄養士資格を取得し、病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士といった食の現場を幅広く経験。現在は、食・健康分野を中心にライターとして活動中。

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