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腎臓病の方も安心して旅行を楽しむ食事のコツ!帰宅後のリカバリー方法も紹介

腎臓病の食事療法に取り組んでいる方にとって、旅行の計画はワクワクする時間である一方で、旅先での食事をどのようにコントロールするか、少し気にかかることもあるかと思います。ですが、せっかくの旅行ですから、あれこれと考え込みすぎず、心からリフレッシュしたいですよね。

そこでこの記事では、旅行中は「完璧」を目指さず、ポイントを押さえて食事を楽しむコツをお伝えします。あわせて、帰宅後に便利なアイテムを活用して、無理なくリカバリー(調整)する方法もご紹介します。

目次


【準備編】旅行の心構えと安心できる宿選びのポイント


旅行中も「塩分は? たんぱく質は?」と数字のことばかり考えていては、ストレスが溜まってしまいます。実は、過度なストレスも体にとっては大敵。まずは、少し肩の力を抜くことから始めましょう。

旅行中は「60点」で合格!楽しむことを優先に

普段、食事療法を頑張っている方ほど、旅先での数値が気になってしまうかもしれません。しかし、腎臓病の食事療法は、長い期間のトータルバランスで見ていくものです。 旅行中の数日間、少し羽目を外したとしても、帰宅後に調整すればリカバリーは可能ですので、すぐにすべてが台無しになるわけではありません。

厳密な制限を守ろうとしてピリピリするよりも、食事は60点くらいのゆるやかなコントロールで十分です。「美味しいね」と笑顔で過ごす時間の方が、心身の健康にとって良い影響を与えてくれます。

また、旅行中は、1食や1日単位で完璧に栄養バランスをとろうとしなくても大丈夫です。「旅行の2〜3日+帰宅後の数日」という長いスパンで見て、トータルでバランスを取ればOKと割り切ってしまいましょう。

相談しやすい宿を探す

宿選びの段階から少し工夫をするだけで、当日の心理的負担はずっと軽くなります。

まずは予約時などに、「腎臓病の食事制限があるのですが」と電話で相談してみるのがおすすめです。その際の対応が親切であれば、宿泊当日も配慮してくれる可能性が高いでしょう。

また、アレルギー対応に力を入れている宿かどうかもチェックポイントです。そうした宿は個別の食事変更に慣れているケースが多く、こちらの事情にも寄り添って相談に乗ってくれる傾向があります。

自分に合ったプランを選ぶ

「豪華な夕食」は旅行の醍醐味ですが、量や内容を事前にコントロールできるプランを選んでおくと安心です。

品数が多すぎる会席料理は食べすぎてしまいがちなので、シニアプランや少食プランなど、「少量で良い食材」を提供するプランが狙い目です。また、自分で食べる量や種類を調整できるビュッフェスタイルも、食事制限がある方にとっては強い味方になります。

もし公式サイトなどで事前にお品書きが見られる場合は、「お刺身は食べて、煮魚は同伴者に譲ろう」などとシミュレーションしておくと、当日迷わずに済むのでおすすめです。

【持ち物編】あると安心!旅先で役立つ「食のサポートアイテム」


旅先での食事はどうしても「塩分・たんぱく質」が多くなりがち。そこで、主食や調味料を自分で調整できるアイテムを持参するのがおすすめです。「これがあるから大丈夫」という安心感が、食事をより美味しくしてくれます。

低たんぱくご飯のパック

宿の白米を、持参した「低たんぱくご飯」に置き換えてみましょう。主食でたんぱく質を抑えた分、浮いた数グラムをお刺身やお肉(主菜)に回して楽しむことができます。「我慢」ではなく「豪華なおかずを楽しむための工夫」です。

また、事前に「パックご飯を持ち込みたいので、温めをお願いできますか?」と宿に確認しておくと、食事の提供がスムーズになり、安心して食事を楽しめます。

減塩醤油・減塩塩の小袋

旅館や飲食店の卓上調味料は、一般的なものが置かれています。「せっかくの料理だから味を足したい」という時に、マイ調味料があれば塩分を気にせず味付けできます。100円ショップなどで売っているお弁当用の小瓶や小袋に入れておくと便利です。

カリウムの少ないおやつ

観光で歩き回るとお腹が空き、ついつい現地の食べ歩きグルメに手が伸びがちです。しかし、一般的な軽食は塩分やたんぱく質、カリウムなどが思いのほか高いもの。そこで、成分調整された安心できるおやつを持参するのがおすすめです。「小腹が空いたけれど、今これを食べたら数値が……」と悩むことなく、安心してエネルギーチャージができます。

【実践編】宿・外食でこれだけ意識すればOK!食事を楽しむ3つのコツ


宿や現地のお店で食事を摂る場面では、細かい計算よりも「ざっくりとした見た目」で判断するのがコツです。

1. 塩分は「残す」と「つける」で調整

お味噌汁やお吸い物は、具だけを食べて汁は半分以上(できれば全て)残すように意識してみてください。これだけで、塩分を1〜2gカットすることができます。

また、醤油やソースなどの調味料は、食材の上からかけるのではなく、小皿に出して「つける」のがポイントです。端っこに少しつけるだけで、舌で直接塩気を感じられ、少量でも十分に満足感を得やすくなります。

2. 主菜(たんぱく質)は「量」を意識

メインディッシュが複数ある場合は、ぜひ「一番食べたいもの」を選んで美味しくいただきましょう。

それ以外のおかずは、同伴の方にシェアするか、思い切って半分残して量を調整します。「もったいない」と感じるかもしれませんが、無理をして食べきる必要はありません。旅を楽しむための体調管理と割り切りましょう。

3. カリウム対策は「調理法」を見る

野菜料理を選ぶ際は、生野菜のサラダよりも、お浸しや煮物などがおすすめです。一度茹でこぼすことでカリウムが溶け出しているため、比較的安心して食べられます。ただし、煮物は煮汁にカリウムが溶け出ているため、具材だけを食べて汁は残すようにしましょう。

もしデザートに果物が提供される場合は、一口程度の味見にとどめて、残りは同伴の方へシェアしましょう。

【帰宅後編】楽しんだ後は「宅配食」でしっかりリカバリー


旅行中は、どうしても塩分やたんぱく質を摂りすぎてしまいがちです。また、ご馳走の味に慣れた舌で、帰宅直後から薄味の制限食に戻すのは辛いもの。さらに移動疲れで自炊も億劫になりがちです。 そこで帰宅後の数日間は、便利な宅配食を活用して、無理なく味覚と数値をリセット(リカバリー)していきましょう。

プロが計算した「宅配食」で無理なく調整

宅配食の中でもおすすめなのが、武蔵野フーズの「健康美膳 たんぱく調整食セット」です。だしを効かせた味付けが評判で、「制限食でも美味しい」と多くのリピーターに支持されています。

1食あたり、エネルギ-300kcal、たんぱく質10g以下、カリウム500mg以下、塩分相当2.0g以下に調整されています。冷凍タイプのお弁当なので、温めるだけで手軽に美味しい腎臓病食が味わえます。


▼たんぱく調整バラエティセット(7食)


お肉料理やお魚料理など、バラエティ豊かなメニューがバランスよく入った定番セットです。「まずは色々な味を試してみたい」という初めての方にもおすすめです。

詳細はこちらをチェック


▼たんぱく調整和洋中セット(7食)


和食・洋食・中華のメニューを組み合わせた、毎日の食事が楽しみになるセットです。カレーや中華風の味付けなど、メリハリのある献立でご飯がすすみます。

詳細はこちらをチェック

まとめ

腎臓病の方も、ポイントさえ押さえれば、もっと自由に、気兼ねなく旅行を楽しむことができます。そのために大切なのが、旅先での食事は「完璧を目指さないこと」と、「帰宅後のリカバリー体制を整えておくこと」です。

旅行中は現地でしか味わえない空気と食事を60点満点で楽しみ、帰ってきたら便利な宅配食を活用して、ゆっくりといつものペースに戻していく。そんなメリハリのある付き合い方で、ぜひ素敵な旅の思い出を作ってくださいね。

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この記事を書いた人

端場愛
管理栄養士
学生寮や老人保健施設で実務経験を積んだのち、フリーランスの管理栄養士に。食べ物と体の関係を分かりやすく伝え、少しでも多くの人に健康になってもらうことを目標に、ライターとして活動中。

監修者紹介

木村眞樹子医師
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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  • 減塩調味料って本当に必要?知っておきたい使い方と注意点

    1. 減塩の必要性って? 塩分を摂りすぎることでよく知られているリスクが「高血圧」です。血液中にナトリウム濃度が増加すると、身体はそのバランスを保つために水分を取り込みます。これにより血液量が増え、心臓がより高い圧力で血液を循環させる必要が生じ、血圧が上昇します。この状態が長期間続くと、血管に大きな負担がかかり、動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高まります(注3,4)。 厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの塩分摂取目標量を男性で7.5g未満、女性で6.5g未満としています(注5)。しかし、「国民健康・栄養調査(令和4年)」によると、日本人成人の平均摂取量はこの目標を大きく上回り、男性で10.5g、女性で9.0gと報告されています(注6)。 2. 減塩調味料って、どんなもの? 減塩調味料とは、通常の調味料より塩分が少ない調味料のことです。これらの商品は、食品表示法の栄養表示基準に従って「減塩」と表示されるため、一定の基準を満たした商品に限られます(注7)。 <減塩食品の表示の種類> ①含まない旨の表示②低い旨の表示③低減された旨の表示 表示例・無塩・塩分ゼロ・ノンナトリウムなど・低塩・塩分控えめ・塩分ライトなど・塩分1/2・食塩分30%カットなど 条件食品100gあたりのナトリウム量は5㎎未満のもの食品100gあたりのナトリウム量は120㎎以下のもの対照となる製品からのナトリウム低減量が100g あたり120㎎以上のもの※ 【参考】消費者庁「栄養成分表示及び栄養強調表示とは」p8 ※しょうゆの場合、ナトリウム低減が20%以上であることも必要です。 ● 「うす塩味」は減塩商品なの? 商品パッケージに「うす塩味」や「塩味控えめ」と書かれているのを目にすることがあるかもしれません。これらの表示は、あくまで味覚に基づく表現であり、実際に含まれている塩分量が少ないとは限りません。塩分含有量が高い場合もあるため、注意が必要です。 一方、「あま塩」や「うす塩」、「あさ塩」は、栄養表示基準の適用対象であり、塩分が従来品より少ないことが保証されています(注8)。 ● 「食塩無添加」は、ほんとに食塩が含まれていない? 「塩分無添加」「食塩不使用」とは食品加工時に食塩を加えていないということを意味しますが、素材そのものには食塩やナトリウムが含まれている場合があります。食品100gあたりのナトリウム含有量が120mg以下の場合、「食塩無添加」と表示することができるため、必ずしも塩分ゼロではないことに、注意が必要です(注7)。 ● 減塩率についても知っておこう! 減塩率は、従来の製品と比較してどれだけ塩分を減らしたかを示すものです。例えば、通常のしょうゆが100mlあたり10gの塩分を含んでいる場合、減塩しょうゆが5gであれば、減塩率は50%となります。パッケージに記載された栄養成分をもとに、自分に合った商品を選ぶことが大切です(注7)。 3. 減塩調味料にはどんな種類があるの? 実際に、市場に出回っている代表的な減塩調味料には以下のようなものがあります。 ● しょうゆ:減塩しょうゆは、醤油の濃厚な味やだしの風味を残しつつ、塩分を抑えた商品が提供されています。商品数も豊富で、瓶やペットボトル、紙パック、密封ボトルなど、容器の種類も多彩です。 ● 味噌:減塩味噌は、大豆やお米、塩などの原材料にこだわり、旨味を引き出す工夫がされています。塩分を控えても、風味やコクがしっかりと感じられるため、物足りなさを感じさせない商品も多くあります。 ● だし・スープ:減塩タイプのだしやスープは、昆布やかつお節などの天然の旨味成分を活かして、塩分を抑えても満足感のある味わいを実現しています。和風料理やスープのベースとして幅広く活用できます。 ● ソース:ウスターソースや焼きそばソースの減塩版も多く、スパイスや果実の風味で、減塩でもしっかりとした味わいを維持しています。揚げ物や料理の仕上げにおすすめです。 ● ドレッシング:減塩ドレッシングは、塩分を控えつつも、ハーブやスパイス、酸味をうまく組み合わせて、さっぱりとした味わいを楽しめます。サラダやマリネに最適です。 4. 減塩調味料は必要? 減塩調味料はあくまで塩分を控えるための選択肢の一つです。必ずしもこれらの商品に頼る必要はなく、他の方法で塩分を減らすことも可能です(注3)。 <塩分を控えるための方法> ● 香ばしさを加える 焼いたり炒めたりすることで香ばしさが増し、塩分を減らしても風味を楽しめます。 ● 油脂でコクを出す 油やバターを使い、コクを加えることで薄味でも物足りなさが軽減されます。 ● スープは残す スープなどの塩分が高い料理は、すべてを飲み干すのではなく、少量にすることで塩分摂取を減らせます。 減塩の具体的な方法については、以下の記事も参考にしてみましょう。 参考)減塩習慣を始めよう!塩分を控える理由と減塩のコツ https://www.kenko-webshop.jp/blog/salt-reduction_20240401 5. 減塩調味料を使うときの注意点 減塩調味料を使う際には、いくつかの注意点を押さえておきましょう(注5,9,10)。 ● 使いすぎに注意 減塩調味料を使用すると、一般的に薄味になるため、無意識に量を増やしてしまいがちです。塩分は含まれているため、計量スプーンや計量カップを使って、使い過ぎないようにしましょう。 ● 過度な減塩は避ける 日常の食生活でナトリウム不足になる心配はほとんどありません。しかし、過度に減塩しすぎると、疲労感や体調不良を引き起こす可能性があります。特に、暑い季節や激しい運動をする際には、適度なナトリウム摂取が必要です。 ● 糖分や添加物の摂り過ぎにも注意 減塩食品では、塩分を抑える代わりに糖分や添加物が増えている場合があります。例えば、減塩梅干しなどでは、風味を補うために糖分や調味料が多めに使用されることがあります。パッケージに記載されている成分表で、糖分や添加物が過剰になっていないか確認するようにしましょう。 ● 賞味期限が短くなることも ナトリウムには保存性を高める効果があるため、減塩食品は一般的に保存期間が短くなる傾向があります。減塩タイプのしょうゆや味噌などは、開封後は冷蔵保存し、できるだけ早めに使い切るようにしましょう。また、購入時には賞味期限を確認し、使い切れる量を選ぶことが大切です。 <特に腎臓病の方は注意!減塩食品の成分は購入前に必ず確認を> 減塩食品の中には、塩味を保つため、一般的な食塩(塩化ナトリウム)の代わりに塩化カリウムが使用されていることがあります。塩化カリウムには特有の苦みがあるため、マスキングする素材が併用されてことも多いようです。 カリウム制限が必要な腎臓病の方や食事療法を行っている方は、事前に医師に相談して使用することをおすすめします(注11)。 6. 減塩調味料で味が物足りないときの工夫 減塩調味料を使っても味が物足りないと感じる場合、以下の工夫を試してみましょう。 ● さまざまな製品を試す 現在は多種多様な減塩調味料が市販されています。いろいろな商品を試して、自分の好みに合ったものを見つけることが大切です。 ● 他の減塩方法と組み合わせる 減塩調味料だけに頼るのではなく、香ばしさを出す調理法やコクを加える食材を組み合わせることで、満足感を高めることができます。 7. まとめ 減塩調味料は、塩分を控えながらもおいしさを保つための一つの選択肢ですが、料理の風味を活かす調理法や材料選びを工夫することで、無理なく塩分を減らすことが可能です。特に腎臓病などで食事制限が必要な方は、医師の指導のもとで安全に減塩を進めましょう。食生活の見直しが健康維持につながる第一歩です。

  • 血圧と塩分の関係性を解説!高血圧を防ぐための食事のポイントも紹介

    なぜ塩分を摂りすぎると血圧が上がるの? 塩分を摂りすぎると血圧が上がる主な理由は、体内で水分のバランスが崩れるためです。具体的には、塩分(ナトリウム)を過剰摂取すると、体内の塩分を薄めようとして水分を保持します。この水分量の増加が血液量の増加につながり、結果として血管内の圧力、つまり血圧が上昇します。加えて、ナトリウムの血管を収縮させる作用も、血圧上昇に関与しているのです。 また、高血圧になると以下のような重大な合併症を引き起こすリスクが高まります。 ・動脈硬化 ・脳卒中(脳出血・脳梗塞) ・心疾患(狭心症・心筋梗塞) ・腎臓病 ・認知症 したがって、塩分の摂取を控えることは血圧管理に重要であり、合併症の予防に効果的です。 塩分を控えるだけでは不十分? 血圧を下げるために塩分摂取量を控えることは非常に重要ですが、高血圧の原因は塩分だけではありません。 【塩分以外の高血圧の原因】 ・肥満 ・喫煙 ・過剰なアルコール摂取 ・運動不足 ・睡眠不足 ・ストレス 肥満は心臓や血管に負担をかけ、血圧を高めます。喫煙はタバコに含まれるニコチンが血管を収縮し、血圧を上昇させます。 また、アルコールの過剰摂取も血圧を急激に上げる原因です。さらに、運動不足や長期的なストレス、睡眠不足は体の自然な血圧調整機能を妨げ、血圧を高めることになります。 これらの要因が絡み合うことで高血圧が進行するため、まずは健康的な生活が送れているか、見直しが必要です。もし運動習慣がないのであれば、毎日30分歩く、エレベーターを使わず階段を歩くなど適度な運動を取り入れてみましょう。 特に減量は効果的で、1kg減量にあたり最高血圧は約1mmHg、最低血圧は約0.9mmHg低下すると言われています(※1)。禁煙や節酒、十分な睡眠を確保することも、適正な血圧維持に役立ちます。 カリウムの摂取も重要 カリウムには体内の余分なナトリウムを排出する働きがあることから、高血圧の予防に効果的とされています。生活習慣病の予防を目的に、1日のカリウムの摂取量を以下のように定めています(※2)。 成人男性:3,000mg以上/日 成人女性:2,600mg以上/日 カリウムは野菜や果物、海藻に多く含まれているため、日頃からこれらの食品を意識して取り入れるとよいでしょう。 <カリウムを多く含む食品の例> 代表的な食品 野菜・ブロッコリー・ほうれん草・きゅうり・枝豆 など 果物・バナナ・スイカ・アボカド・キウイフルーツ など 海藻・わかめ・昆布・ひじき など なお、カリウムは水に溶けやすいという性質があります。野菜を水にさらしすぎると、カリウムの摂取量が減ってしまうため、なるべく短い時間に留めましょう。カリウムを余さず摂取するには、汁ごと食べられるスープがおすすめです。 高血圧を防ぐための食事のポイント 1日の塩分摂取量は、健康的な成人で男性/7.5g未満、女性/6.5g未満と定められています(※2)。すでに高血圧と診断されている場合、合併症を防ぐために1日の塩分摂取量は6g未満に抑えることが推奨されています(※1)。 塩分摂取量の目標量を数値だけで見ると分かりづらいかもしれませんが、実は普段の食事には多くの塩分が含まれているのです。 料理名塩分相当量 醬油ラーメン5.7g カレーライス3.3g 鮭の塩焼き1.4g 食パン(6枚切1枚あたり)0.8g しかし、ただ塩分を減らすのでは味気のない食事になり、長く続けられません。減塩生活は長く続けてこそ効果を発揮するため、無理なく続けるための食事のポイントを紹介します。 家庭での減塩ポイント 家庭では、以下の基本的なポイントを抑えましょう。 ・出汁・香辛料・香味野菜・減塩調味料を上手に活用 ・汁物は具を増やす ・野菜は1日350g以上 塩分を減らしただけの食事は、おいしいとは言えません。そのため、塩分を減らす際は「出汁を効かせる」「カレー粉や唐辛子などの香辛料を活用する」「大葉やにんにくなどの香味野菜を使う」「減塩醤油や減塩味噌などの減塩調味料を取り入れる」といった工夫が必要です。これらの方法には塩味をカバーする働きがあり、少ない塩分でも味をしっかりと感じられるようになります。 また、汁物は塩分が多くなりやすく、味噌汁1杯に約1.2gの塩分が含まれています。汁物は野菜の補給源となるだけでなく、味噌などの発酵食品により腸の調子を整えられるなど、メリットがたくさんあります。そのため、汁物を食べるときは汁をいつもの半分程度に減らし、その分具をたっぷり入れるとよいでしょう。 塩分を抑えるテクニックは、こちらの記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 減塩習慣を始めよう!塩分を控える理由と減塩のコツ そして野菜は1日350g以上摂ることで、カリウムが適量摂取できると期待されてます(※3)。具体的には、小鉢5皿分を目安にしましょう。1食に1~2皿の野菜の小鉢を加えるのが理想です。毎食野菜を使った副菜を作るのが難しいときは、常備菜を作っておいたり、お惣菜を活用したりする方法もあります。ただし、お惣菜の場合は成分表示を確認し、なるべく塩分の少ないものを選ぶとよいですね。 外食時の減塩ポイント 外食は家庭とは異なった注意点があります。 ・出汁・香辛料・香味野菜・減塩調味料を上手に活用 ・サラダなど野菜料理は積極的に注文 ・麺類の汁は必ず残す ・アルコールは適量 例えばランチタイムはゆっくりできないことも多く、丼ものなど単品で注文しがちですが、塩分摂取量が多くなるだけでなく、野菜が不足しカリウムを十分に摂取できない可能性が高くなります。そのため、できるだけいろいろな食品が食べられる定食を注文するようにしましょう。もしサラダなど野菜のおかずがあれば、積極的に注文するといいですね。 また、麺類の汁は残すのが鉄則です。麺よりも汁に塩分が多く含まれているため、汁を残すだけでも減塩につながります。 外食時、アルコールを注文することもあると思いますが、過度な飲酒は禁物です。血圧を上げるだけでなく、アルコールにより理性が鈍り、暴飲暴食して塩分を過剰摂取する可能性があります。 腎臓病でカリウム制限がある方への注意点 先ほど、カリウムは高血圧予防に効果的と説明しましたが、腎臓病のステージ3b以降の方はカリウム制限が必要です(※4)。 ステージカリウム ステージ1~3a制限なし ステージ3b2,000mg未満/日 ステージ4~51,500mg未満/日 出典:CKDステージによる食事療法基準より「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」 これは、腎臓の機能が落ちていると体内のカリウムが排出されにくくなるからです。本来カリウムは余分な塩分を排出するなど、体によい働きをしますが、血液中のカリウムが増えすぎると不整脈などの原因となります。腎臓病によりカリウム制限が必要な方は、野菜を茹でこぼしてから食べたり、カリウムの多い食品を極力減らすといった工夫が必要です。 なお、人によって状態が異なりますので、必ずかかりつけ医や管理栄養士に指示された食事療法を実行するようにしましょう。 まとめ 塩分の過剰摂取を長く続けると、高血圧のリスクが高まります。ただ血圧が高くなるだけでなく、心疾患や脳卒中などの重大な疾病を招く可能性があるため、早めに対策するとよいでしょう。食事面での高血圧予防は「減塩を心掛ける」「カリウムを意識して摂る」の2点が効果的です。健康を守るためにも食事の塩分量やカリウム摂取量を見直し、適切な生活習慣を心がけましょう。

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