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正月を健康に!減塩も意識しながら、糖尿病・腎臓病の方も楽しめるおせちの工夫

おせちは日本の正月に欠かせない伝統料理です。重箱に彩りよく盛りつけ、家族で囲みながら新しい年の健康や幸せを願う習慣が古くから伝わっています。正月は台所仕事を減らせるよう、保存性の高い料理が多く用意されます。そのため、甘味や塩分が強く、カロリーも高めになりやすく、糖尿病や腎臓病の方は食べ方に注意が必要です。

この記事では、おせちの特徴に加え、減塩を意識しながら病気を持つ方でも楽しめる工夫、具材の意味や食べ方のポイントをご紹介します。

目次


1. おせち料理とは?~健康と長寿を願う伝統料理


お正月に欠かせないおせち料理には、実は「節(せつ)」という言葉に由来があります。

「節」とは、季節の変わり目や年中行事のことを指し、古くは一年の中で特に大切な時期に神様へ感謝を伝えるための料理を「節の料理」、つまり「おせち」と呼びました。

江戸時代には、人日(1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)の「五節句」が定められましたが、現代ではその中でも最も重要な節である「正月」に食べる料理をおせちと呼ぶようになりました。

もともとは身近な食材を調理したものをカミにお供えし、その後に家族で分かち合う「直会(なおらい)」の儀礼として行われていたものが、時を経て豪華な重箱料理として定着しました。地域や家庭によって詰める料理はさまざまですが、それぞれに健康や長寿、豊作などの願いが込められています。


ここでは一例として、三段の重に分けた場合をご紹介します(注1)。


●一の重:祝い肴・口取りなど

●二の重:酢の物・焼き物など

●三の重:煮物など

2. 糖尿病・腎臓病の方が知っておきたい「おせち」の特徴


おせちは、保存性を高めるため、砂糖や塩を多く使うのが特徴です。そのため、糖尿病や腎臓病の方は、味付けや食材の選び方、量に注意して食べることが大切です(注2,3)。


注意したいポイント

●甘味が強い:砂糖やみりんを多く使うため、糖質が高くなりやすい

●塩分が多い:塩や醤油を使う料理が多く、塩分摂取量が増えやすい

●リン・カリウムが多い:魚卵や肉類、黒豆、根菜、昆布などは腎臓病の方は控えめに


おせちを食べる際は、主治医や栄養士に相談し、量や種類を調整すると安心です。

2-1. 主なおせち食材・料理の栄養価(参考)

ここでは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づき、おせちで使われる主な食材や料理の栄養価の目安をご紹介します。


成分は食品や料理の種類・調理法によって変わるため、あくまで参考値です。糖尿病や腎臓病の方は、必ず主治医や栄養士と相談しながら量を調整してください(注4)。


エネルギー(kcal) たんぱく質(g)糖質(g)カリウム(㎎)リン(mg)食塩相当量(g)
甘露煮(日本ぐり)20g460.416.31550
田作り(かたくちいわし)5匹(10g)306.71.41602300.2
数の子(塩蔵・水戻し)1本(20g)163.00.1※0.4190.2
黒大豆(茹で)10粒程度(20g)312.90.3※96440
だて巻き(水産練り製品)1切(30g)574.45.633360.3
かまぼこ(蒸し・水産練り製品)2切(30g)283.63.333180.8

【参考】文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

※糖質は、差引き法による利用可能炭水化物を記載しています。

3. 糖尿病・腎臓病でも楽しめる!減塩も意識したおせちの工夫


3-1. 食べる量とタイミングを意識

おせちは種類が多く、つい手が伸びてしまいがちです。小皿に少しずつ盛りつけると食べすぎを防げます。また、食事の時間を決めて食べ、間食のように少しずつつまむのは控えましょう。

3-2. ゆっくり味わう

ひと口ずつよく噛むことで満腹感が得られ、食べすぎを防げます。噛むほどに素材のうま味が感じられ、薄味でもおいしくいただけます。

3-3. 素材の味を生かす

かずのこやかまぼこ、昆布巻などの加工品は塩分が多めです。醤油や塩を足さず、そのままの味を楽しむと、体に配慮しながら味わえます。

3-4. 調理の工夫でおいしく

砂糖や塩を控えめにし、だしや香味野菜の風味を生かすと、自然なうま味が引き立ちます。

さらに、下茹でや水にさらすなどの下処理を加えることで、カリウムや塩分を減らしつつ、素材の色や香りも楽しめます。

こうしたひと手間で、薄味でも満足感のある一品に仕上がります。

3-5. 盛りつけで工夫

彩りや器でも工夫しましょう。小さめの器や重箱を使うと、自然と食べる量が控えめになります。紅白や緑などの色を意識して盛りつけると、少量でも華やかに見えます。

3-6. 体調を気づかいながら

お正月は食べる機会が増える時期です。体重や血糖値を確認しながら楽しみましょう。必要に応じて、糖質や塩分を調整した市販のおせちを取り入れるのもおすすめです。

3-7. 塩分を控える工夫を確認

これまでご紹介した「よく噛む」「素材の味を生かす」「調味の工夫」は、日常に取り入れやすい減塩の基本です。


お正月のおせちだけでなく、普段の食事でも意識することで、塩分を控えながら食事を楽しめます。

さらに詳しい減塩の工夫や具体例は、こちらの記事をご覧ください。


■関連記事:
減塩習慣を始めよう!塩分を控える理由と減塩のコツ

4. おせち料理の具材と込められた願い、食べ方の工夫

ここでは、一の重~三の重の主な具材と、それぞれに込められた意味、さらに糖尿病や腎臓病の方も工夫して食べられるポイントをご紹介します(注1)。



4-1. 一の重(祝い肴・口取り)

●栗きんとん
漢字で書くと「金団」。黄色を黄金に、栗を小判に見立て、「今年も豊かな一年でありますように」との願いが込められています。
工夫:甘露煮のシロップは加えず、必要に応じて低カロリー甘味料で甘みを調整します。栗はカリウムを多く含むため、一度に食べすぎないように。


●田作り
昔は乾燥させた小魚を田んぼの肥料にしていたことからこの名がつきました。豊作を祈る意味を持ち、別名「ごまめ」とも呼ばれます。
工夫:醤油は最後に少量だけ和えて塩分を控えめに。小魚はカリウムやリンが多いため、量に注意。


●かずのこ
ニシンの卵。ニシンは「卵が多い=子がたくさん生まれる」とされ、子孫繁栄や子宝を願う縁起物です。
工夫:塩抜きを行い、漬け汁はだし汁と薄口醤油でシンプルに。彩りとして少量加えると華やかさが増します。


●黒豆
「まめに暮らす」という意味から健康を祈る料理です。黒色には邪気を払う力があるとされます。
工夫:甘さを控えめにじっくり煮て香りやほくほく感を楽しみます。カリウムやリンが多いため、茹でこぼしで調整し、量も控えめにすると安心です。


●たたきごぼう
根が深く張ることから、「家庭や家業が地に根を張って安定するように」との意味があります。
工夫:少量ずつよく噛むことで満腹感が得られ、血糖値の急上昇を抑えやすくなります。


●伊達巻
巻物の形から学問や文化の繁栄を象徴します。
工夫:砂糖を控えめにし、出汁の風味を生かすと甘さを抑えつつ美味しく味わえます。


●かまぼこ
半円形は日の出を表し、紅は「めでたさ」や「魔除け」、白は神聖な色とされています。
工夫:塩分が高めなので、追加の醤油は不要。素材の味を楽しみましょう。

4-2. 二の重(酢の物・焼き物など)

●えび
「腰が曲がるまで長生きできるように」という長寿の象徴。赤色は魔除けの意味もあります。
工夫:食べる量を調整し、甘みや旨味を生かして煮ると満足感が得られます。


●なます
大根とにんじんの紅白が祝いの水引を表しています。
工夫:凍らせて脱水すると塩分を減らせます。ゆずの皮で香りを加えると薄味でも楽しめます。


●ぶり
出世魚で、出世や成功を願う縁起物です。
工夫:脂の多い部分は少なくするとカロリーや脂質を抑えられます。大根おろしを添えると、さっぱり味わえます。

4-3. 三の重(煮物など)

●昆布巻
「よろこぶ」に通じ、幸福や喜びを祈る縁起物です。
工夫:カリウムが多いため茹でこぼし、塩分は表面に軽くからめる程度に。


●れんこん
穴が空いていることから「先が見通せる」ことを象徴します。
工夫:下茹ででカリウムをある程度減らし、食べやすくします。ゆっくりよく噛むことで満腹感も得られます。


●筑前煮(煮しめ)
根菜や山の幸を使い、豊かな収穫や家庭の安定を祈る料理です。彩りも豊かで正月料理に華を添えます。
工夫:下茹でしてカリウムを減らすと食べやすく、ゆっくりよく噛むことで満腹感も得られます。


どの料理も甘味や塩分が強い場合は、少量ずつ食べ、他の料理と組み合わせると健康に配慮しながら楽しめます。

5. 健康に配慮したおせちで新年を迎えよう

おせちは、家族の健康や幸せを願う意味が込められた伝統料理です。糖尿病や腎臓病の方がおせちを楽しむ場合も、量や食べ方、調理の工夫を取り入れることで、体への負担を抑えながら味わえます。たとえば、塩分や甘味を控えめにしたり、少しずつ味わって食べることで、血糖値や腎機能への影響を和らげることができます。また、彩りや食感を工夫すると、少量でも見た目や味わいをしっかり楽しめます。


体調や数値に合わせて無理なく調整しながら、減塩を意識したおせちも含め、安心して新しい年を迎える工夫として取り入れてみましょう。

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参考文献

注1)農林水産省「和食~自然への感謝と祈りを込めて家族を結び、未来へつなげる~」
注2)厚生労働省「みんなで知ろう! からだのこと」
注3)厚生労働省「慢性腎臓病」
注4)文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」第2章(データ)

この記事を書いた人

横川仁美
管理栄養士
管理栄養士の資格を取得後、保健指導や重症化予防を中心に2500人以上へのアドバイス提供。 現在は食専門ライター×料理研究家として執筆・監修、 また企業のブランドイメージに沿ったレシピ提案を行っている。

監修者紹介

木村眞樹子医師
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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    糖尿病でもおやつは食べてよい? おやつにはお菓子のような「嗜好品」を食べるという意味だけでなく、食事だけでは補えない栄養素を摂るという役割もあります。たとえば、次の食事と7時間以上間があく、1食がしっかり食べられないときにおやつを取り入れることで、血糖値のコントロールや健康維持に役立ちます。 また腎臓の機能が低下している場合、たんぱく質の制限がかかるため、食事だけでは必要なエネルギーが確保できないことが多いです。腎機能が低下している方は特に合間におやつを取り入れられるとよいですね。どちらにせよ、おやつを摂るときは「栄養価の高いもの」を選ぶことが重要です。 ■関連記事:糖尿病でもおやつが食べたい!管理栄養士推奨のおやつとレシピを紹介こちらの記事でも糖尿病の方のおやつ全般について選び方やレシピを紹介しています。ぜひご覧ください。 さつまいもは糖尿病でも食べてよい? さつまいもはおやつに適しています。なぜならさつまいもは食物繊維が多く、血圧対策に役立つカリウム、インスリンの働きを助けるマグネシウムも豊富だからです。さつまいもの糖質が気になる方もいますが、さつまいもに含まれる糖質はでんぷんが主体です。そのため、お菓子よりも消化・吸収がゆっくりで、血糖値の上昇はおだやかになりやすいとされています。とはいえ、量を摂り過ぎると血糖値は上昇しやすいですし、最近は糖度の高い品種が出回ることが多いため、量と食べ方が重要です。 また、腎機能の低下により、カリウム制限がある場合にさつまいもを摂ることでカリウムの過剰摂取につながるおそれがあります(1本あたり960mg)。そのため、医師の確認のうえ摂るかどうか判断してくださいね。もし食べる場合は少量にとどめ、輪切りにしてゆでこぼしをするなど、極力カリウムを減らした状態で食べてくださいね。 糖尿病におすすめのさつまいもの選び方 さつまいもとひとくちに言ってもさまざまな品種があります。また、せっかく食べるならばおいしいものを食べたいですよね。そこで、おいしいさつまいもの選び方と糖尿病の方におすすめの品種を紹介します。 良いさつまいもの選び方 さつまいもを栄養価高く、おいしく食べるには良いさつまいもを選ぶことが大切です。以下をポイントに選ぶと、おいしいさつまいもに出会えるでしょう。 <おいしいさつまいものポイント> ・皮の色が均一である ・つやがある ・表面に傷や斑点がない ・ふっくらしている ・ひげがやわらかい 糖尿病の方におすすめのさつまいも品種 さつまいもの糖質は種類によって異なり、一般的に糖度が1度上がるごとに糖質が1g増えるとされています。また、ほくほくとした食感のもののほうが、ねっとりとした食感のものよりも糖質はおさえられます。そのため、糖尿病の方はほくほくした食感の品種を選べるとよいでしょう。代表的な品種ごとの特徴は以下です。購入時に意識してみてくださいね。 【ほくほく系】 紅あづま甘さと食感のバランスが良い。 鳴門金時黄金のような黄色い中身で、栗のようなほくほく食感。甘さは少し強め。 パープルスイートロード皮も中も赤紫なのが特徴。甘さもあっさりしている。 【ねっとり系】 紅はるか濃い黄色い実で蜜が多く、クリーミーで濃厚な甘さがある。 安納芋かなりねっとりしており、甘さも濃いが紅はるかよりは糖度は低めである。 シルクスイート絹のようになめらかな食感。上品な甘さが特徴である。 もう迷わない!さつまいもの食べ方ポイント さつまいもの選び方はわかりましたね。しかし、どう食べると血糖値の上昇を極力おさえやすいのでしょうか。ここではさつまいもを食べるときのポイントを解説します。 1回の目安は70g程度(中1/2本) 日本糖尿病学会の「糖尿病食事療法のための食品交換表(第7版)」によると、さつまいも中1/2本でごはん茶碗1/3杯(50g)と同じカロリー※(80kcal、1単位)です。3食しっかり必要な量の炭水化物を食べている場合は、食べたさつまいも分の量を減らして調整できると安心ですよ。 ※本来はエネルギーですが、便宜上「カロリー」表記としています。 皮と一緒に食べる さつまいもの皮には食物繊維が豊富です。食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにするだけでなく整腸作用も期待できます。そのため、できるだけ皮つきで食べましょう。 ※参考:さつまいもの皮あり・なしでの食物繊維量の比較 さつまいもの状態食物繊維量 さつまいも(皮つき)蒸し3.8g さつまいも(皮なし)蒸し2.8g 調理法は「蒸す」 蒸すことで余分なあぶらや調味料を使わずに済みます。レンジでも簡単にできるのも嬉しいポイントです。また、さつまいもの調理方法のなかで一番GIが低いとされているのが蒸す方法です。 しかし、スーパーでは焼きいもの状態で売っていることが多く、手軽に食べるなら焼きいも、という方も多いのではないでしょうか。実は焼きいもは蒸すよりも血糖値の上昇が起きやすいとされています。 そのため、焼きいもを食べるときはよく噛むことを意識してみてください。よく噛むことで血糖値の上昇を抑えやすいとされているからです。また、一度冷やすこともおすすめ。冷やすことでさつまいものでんぷんがレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)に変わり、血糖値の上昇をおさえる作用が期待できるのです。時間に余裕がある場合は一度冷やすことも試してみてくださいね。 食べるタイミングは日中や夕食前 BMAL-1(ビーマルワン)という脂肪の蓄積を促す物質があります。この物質が活性化しにくい時間帯が日中です。そのため、焼きいもを食べるときは15時までに食べるとよいでしょう。また、昼食と夕食との間が6時間以上開く場合、食後の血糖値の上昇が大きくなるおそれがあるため、夕食に捕食として食べることもおすすめです。このとき、食べた量に応じて夕食の炭水化物の量は調整してくださいね。 よく噛んで食べる さつまいもの種類や調理法、タイミングを考えるだけでなく食べ方も非常に大事です。よく噛んで食べることで満足感を感じやすいだけでなく、血糖値の上昇がおだやかになることもわかっています。今すぐできる方法なので、食べ方も合わせて試してください。 簡単さつまいもおやつ3選 さつまいもの適量や注意するポイントについて解説してきました。最後におすすめのさつまいものおやつを紹介します。気分や状況に応じて活用してくださいね。 ふかし芋 さつまいもをふかすだけで、皮ごと食べやすくなるため、血糖値の上昇が気になる方におすすめです。電子レンジでも簡単に作れます。 <作り方> 1. 水に濡らしたペ ーパータオルをさつまいも全体にかぶせる 2. ラップでふわっとつつむ 3. 500Wの電子レンジで5~8分程度加熱する 4. 竹串で容易に刺せるまで加熱すれば完成 ※ペーパータオルは必ず水で濡らし、加熱しすぎないように注意してください。 干し芋 コンビニやスーパーでも手軽に手に入りやすく、長期保存もしやすいのも嬉しいポイント。噛み応えもあるため、満足感も高まります。カリウムや食物繊維も豊富ですので、栄養価の高いおやつです。しかし、食べ過ぎると糖質の摂り過ぎにつながるので2~3本程度にしましょう。また、腎機能の低下がありカリウム制限のある方はカリウムの摂り過ぎにつながるおそれがあるため、避けた方が安心です。 さつまいも+ヨーグルト さつまいもにはたんぱく質がほぼありません。そのため、ヨーグルトと合わせることでたんぱく質の補強がかないます。また、ヨーグルトには善玉菌、さつまいもには善玉菌のエサとなる食物繊維があるため、腸内環境の改善に役立つでしょう。炭水化物の調整のためにもヨーグルトは砂糖のないプレーンタイプを選ぶようにしてくださいね。また、干し芋とヨーグルトを合わせて一晩つけこむと、干し芋が柔らかくなり、食べやすくなりますよ。 さつまいもは食べ方がカギを握る 糖尿病になったからといって、甘いものはNGではありません。我慢し続けるのではなく、体に優しい量や食べ方を意識してみてください。おやつを摂るときは、栄養価の高い食べ物を選ぶのがおすすめです。さつまいもは食物繊維やカリウムなど体に嬉しい栄養素が豊富のため、おやつに最適です。ただし、ほくほくした食感の品種を選び1/2本程度を目安に日中に食べるとよいでしょう。ぜひ今日からポイントを意識して、さつまいもを普段のおやつに取り入れてみてください。

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    血糖値を上げにくくする食事のコツ 糖尿病の食事療法には、血糖コントロールが欠かせません。まずは、血糖値を上げにくくする食事のコツからおさらいしましょう。 1.食材選びのコツ 食材選びのコツは、食物繊維が多い物を選ぶこと。食物繊維は血糖値の上昇を穏やかにする働きがあるため、積極的に摂取しましょう。(※1) <食物繊維の多い食材の例> ●穀物 玄米、ライ麦パン、全粒粉パンなど ●野菜 野菜類全般、きのこ類 ●海藻類 海藻類全般 ●豆類 大豆、納豆、小豆など また、GI値の低い食材を選ぶのもおすすめです。GI値(グリセミック指数)とは、食品の摂取後の血糖値の上がりやすさを数値化したもの。数値が高いほど血糖値が上がりやすくなります。食物繊維の多い物、精製されていない茶色いもの(玄米、そばなど)はGI値が低い傾向にあります。 ●穀物 玄米、そば、全粒粉パンなど ●野菜 葉物野菜、きのこ類 ●豆類 大豆、納豆、小豆など ●果物類 りんご、いちご、みかんなど ●肉類・魚介類 肉類・魚介類全般 2.調理のコツ 糖尿病食は、1人ひとりの体重、性別、年齢、生活習慣などに応じて摂取カロリーを定めています。揚げ物などの脂っこい料理を中心にしてしまうと、あっという間に1食の摂取カロリーに到達してしまうため、なるべく脂質を抑えた調理法がおすすめです。 具体的には、オーブンや魚焼きグリルで焼く、蒸し器で蒸す、電子レンジで調理するといった方法があります。 ただし、悪者扱いされがちな脂質も、上手に利用すれば食事の満足度を高められます。脂質は吸収が遅いという特徴があるため、満腹感を持続しやすいのです。さらに糖質もゆっくり吸収されるため、急激な血糖値の低下を防ぎ、空腹感を抑えやすくなります。 脂質を極限まで抑えた食事ではなく、サラダに少量のアマニ油やオリーブオイルをかけたり、蒸し野菜のつけダレにえごま油を加えたりして、適量の脂質を摂るとよいでしょう。 3.食べ方のコツ 食べ方にもおすすめの順番があります。 ①野菜など食物繊維の多い物 ➁肉や魚などたんぱく質が多い物 ③ごはんやパンなど炭水化物の多いもの この順番に食べると、血糖値の急上昇を防げるため、普段から意識してみましょう。 また、セカンドミール効果にも注目です。セカンドミール効果とは、最初に摂った食事が、次にとる食事(セカンドミール)の後の血糖値にも影響を及ぼす現象のこと。(※2)例えば、朝食(ファーストミール)に食物繊維が豊富な食事を摂ると、昼食(セカンドミール)後の血糖値の上昇が緩やかになることが知られています。そのため、なるべくどの食事でも食物繊維をたっぷり摂るよう意識しましょう。 糖尿病に配慮した手作りお祝い膳のアイデア 誕生日にふさわしい、華やかなお祝い膳のアイデアをご紹介します。前菜・メインディッシュ・デザートの順に食べると、血糖値が上がりにくくなります。 おすすめの前菜 食物繊維がたっぷり摂れる前菜からご紹介します。 ・白身魚のカルパッチョ タイやサーモンなど、白身魚を使ったカルパッチョは、前菜の定番。魚からたんぱく質が摂れます。サラダ風に葉物野菜をたっぷり添えると、食物繊維やビタミン類も摂れますよ。ドレッシングはレモン汁やオリーブオイルの風味が立つので、塩分が少なくてもおいしく感じられます。 ・カプレーゼ風ピンチョス ミニトマトとひとくちモッツアレラチーズ、バジルまたは大葉をピックに刺すと、カプレーゼ風ピンチョスの完成。短時間で作れるだけでなく、低カロリーです。食卓を華やかに彩ってくれるため、あと一品ほしいときにおすすめ。 ・きのことサラダチキンのマリネ 食物繊維をおいしくたっぷり摂るなら、きのこを焼いてかさを減らしましょう。焼いたきのこと、ヘルシーなサラダチキンをマリネすると、さっぱりおいしい前菜が作れます。きのこを焼くことで風味がよくなり、薄味でもおいしくいただけます。 ・ごぼうのポタージュ 無理なく食物繊維をたっぷり摂れるのが、ごぼうのポタージュです。ごぼうは焼いてもかさが減らず、たくさん食べるのは難しいこともありますが、ポタージュならスルッと摂取できます。前菜は冷たいものが多いので、温かいスープを出すと満足度が高まります。牛乳や生クリームを使わず、豆乳で仕上げるのがおすすめです。 おすすめのメインディッシュ 簡単に作れる、肉と魚のメインディッシュをご紹介します。 ・簡単ローストビーフ 難しそうに見えるローストビーフですが、実は牛もも肉の表面をしっかり焼いて、熱湯を入れた炊飯器で1時間程度保温するだけで作れます。牛もも肉は脂質の少ない部位なので、カロリーを抑えやすいのもポイント。薄切りなので少量でもかさが多く見えて、見た目からも満足感が得られます。 ・マグロのステーキ 魚が好きな方は、刺身用のマグロの柵をステーキにしてみましょう。表面をサッと焼き、中心部をレアに仕上げることで、焼いてもパサつきが気になりません。肉のステーキと同じように、にんにくと一緒に焼きましょう。にんにくの味と香りで少ない塩分でもおいしくいただけます。 おすすめのデザート 特別な日なので、デザートにもこだわってみましょう。お菓子作りが苦手な人でも簡単に作れるアイデアをご紹介します。 ・糖質オフプチシューのシュークリームタワー 市販の糖質オフプチシューを使い、シュークリームタワーを作りましょう。通常のシュークリームタワーは生クリームを使って積み重ねますが、カロリーを控えるために、水切りヨーグルトを使うのがおすすめ。市販の糖質オフプチシューを2袋使うとボリュームが出て、見栄えがよくなりますよ。仕上げに好みのフルーツを周りに飾ってみましょう。 ・フルーツポンチ あまり甘いものが得意でないなら、さっぱりとしたフルーツポンチはいかがでしょうか。季節の果物を同じ大きさに切りそろえ、少量の白玉とあわせたら、カロリーゼロのサイダーを加えます。色とりどりの果物が美しく、パーティーにピッタリです。 誕生日などに外食するときのポイント 誕生日など特別な日は、外食でおいしいものを食べたい方もいるはず。ここでは、糖尿病の方が外食するときのポイントをお伝えします。 ゆっくり食べるコース料理は血糖値を上げにくい 外食時は、単品料理を頼むより、コース料理を頼みましょう。コース料理はカロリーが高そうなイメージを持たれやすいのですが、ゆっくり料理を食べること、実はあまり量が多くないことが要因となり、血糖値が上がりにくいと言われています。 中でも、フランス料理のコースがおすすめです。和食ではご飯や寿司、中華では点心やチャーハン、イタリアンではパスタ・ピザ・リゾットなど、炭水化物が主役の料理が単品で提供されることが多くあります。一方、フランス料理のコースでは、炭水化物がメインとなる単品料理はあまり見られません。パンが時折提供されますが、1~2切れ程度で済むこともあり、炭水化物の摂取量を抑えやすい傾向にあります。 「単品料理のほうが自分でコントロールできていいのでは?」と思われるかもしれませんが、普段節制していると、あれもこれもとなりやすく、コントロールしにくいのです。また、どれだけ食べればいいか判断しづらいこともあるので、やはりコース料理がおすすめです。 また、コース料理を提供するお店は、お客の要望に応えてくれることがあります。ある程度ランクが上のコースしか対応していないこともありますが、「野菜を多めにしてほしい」「油を控えた料理を増やしてほしい」「塩分を少なくしてほしい」など一度相談してみるとよいでしょう。 翌日以降の食事は気を付ける いろいろと食事のコツなどをお伝えしましたが、誕生日などの特別な日くらいは好きなものをみんなと同じように食べてもよいと考えます。その日は思い切り楽しんで、次の日からヘルシーな料理にしたり、薄味の料理にしたりして、調整しましょう。ただし、お酒の飲み過ぎは理性が鈍り、暴飲暴食の原因となるため、嗜む程度にしてくださいね。 まとめ 糖尿病の食事療法の基本は「食べてはいけないものはない」です。何を食べてもよいのですが、食べる物の種類や順番には気を付けましょう。誕生日などのお祝い膳のときも同じで、なるべく食物繊維の多い野菜から食べ始め、メインディッシュの肉や魚、デザートの順に食べ進めましょう。 お店で食事するときは、食べる量やスピードがコントロールできる、コース料理がおすすめです。お店によってはコース内容をリクエストできることもあるため、一度要望を伝えてみるとよいでしょう。また、おいしいものを食べた次の日は、ヘルシーで薄味な料理にするなど、調整できるとベストです。 これらのポイントを覚えておいて、1年に一度の特別な日を心置きなく過ごしてくださいね。

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