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魚の健康効果とは?今日から食べたくなる4つの理由

魚は健康にいい食材として知られていますが、実際どのような効果が得られるのかご存知でしょうか。ただ何となく食べるよりも、健康効果を知っておくと「今日は魚料理を1品食べてみようかな」とポジティブな気持ちになるかもしれません。

今回は魚の健康効果を4つ紹介し、手軽に食べる方法や注意点などをお伝えします。

目次

魚から得られる健康効果4つ


魚を食べると健康維持に役立つのは事実ですが、どのような効果が得られるのか整理してみましょう。ここでは主な4つの健康効果を説明します。

血液サラサラ(EPA)

EPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果が期待できます。その結果、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、脂質異常症など血液や血管に関わる病気を予防できるのです。
また、アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎などを軽減するとの研究結果もあり、健康維持に役立つでしょう。[1]

<多く含む魚>
 ・イワシ
 ・サバ
 ・アジ
 ・サンマ
 ・マグロ(トロ部分)
 ・ブリ など
EPAの効果が期待できる摂取量
1日100g以上の青魚を食べると、EPAの持つ効果が得られると言われています。ただし多く食べればいいわけではなく、バランスが大切です。魚・肉・大豆類それぞれが持つ効果は異なるため、毎日さまざまな食品をバランスよく摂取するとよいでしょう。[2]

記憶力維持(DHA)

記憶力の維持に役立つと言われているのが、DHA(ドコサヘキサエン酸)です。DHAは主に青魚に多く含まれているのですが、EPAと一緒に含まれることが多くなっています。そのため、EPAと同様の作用が期待でき、アレルギー疾患の軽減や動脈硬化、脳卒中、脂質異常症などの病気を予防できるとされています。

また、DHAは朝に食べると血液中の中性脂肪が減少するとの研究結果も出ています。健康維持のために、朝食にサバの塩焼きなどを取り入れてみてはいかがでしょうか。

<多く含む魚>
 ・マグロ(トロや目のゼリー状の部分)
 ・ブリ
 ・サバ
 ・イワシ
 ・アジ など

強い体(たんぱく質)

魚の主成分であるたんぱく質は体を作る材料になり、筋肉はもちろん、皮膚や内臓など体のあらゆる場所に使われます。魚は良質なたんぱく質であり、効率良く体内で利用されるため積極的に食べたいものです。たんぱく質を摂取すると低栄養予防や免疫機能向上に役立つため、健康的な生活を送るには欠かせません。

<多く含む魚>
どの魚にもたんぱく質が含まれますが、1切れ(80g)あたり約16gが摂取できます

丈夫な骨(カルシウム)

骨ごと食べられる小魚を食べるとカルシウムが摂れ、丈夫な骨を作る効果が得られます。主に骨粗しょう症予防に役立つため、日頃から積極的に摂りたい栄養素です。特に女性は閉経後、ホルモンバランスの変化で骨量が急激に減るため、骨粗しょう症のリスクが高まります。そのため、男性よりも意識してカルシウムを摂る必要があるでしょう。

<多く含む魚>
 ・ワカサギ
 ・アユ
 ・シシャモ
 ・イワシ(煮干しやちりめんじゃこ) など

魚を手軽においしく食べる方法


魚の健康効果を得るには、魚を定期的に食べることが一番です。しかし、毎日のように鮮魚を買いに行ったり、調理をしたりするのは難しいケースもあるため、手軽においしく食べられる方法をご紹介します。

切身(冷凍魚)

魚の切り身は、骨を丈夫に保つ以外の健康効果が得られます。ただし、鮮魚の切り身は日持ちがせず、毎日買いに行けないこともあるでしょう。そのため、冷凍の魚を利用するのもおすすめです。市販の冷凍魚は生と栄養価がほとんど変わらず、保存期間も長いなどメリットがたくさんあります。

刺身

刺身はEPAやDHAが効率良く摂れます。調理により魚の脂が溶けだすと、EPAやDHAの摂取量が減ってしまうからです。刺身は盛り合わせを選ぶとさまざまな種類の魚が食べられ、複数の栄養も摂れます。

缶詰

缶詰はEPAやDHAを多く含む部位も丸ごと使われているため、切身よりも効率良く栄養が摂取できます。また、通常は固くて食べられない骨も柔らかく処理されており、カルシウムも同時に摂取できるのがメリットです。保存期間も長く、すぐに食べられるため、ストックして日々の食事に役立てるのもよいでしょう。

惣菜

魚の調理が面倒な場合は焼き魚やフライなど、魚の惣菜を利用するのもひとつの手段です。焼いたり揚げたりするとEPAやDHAなど減ってしまう栄養素もありますが、家庭で調理した場合も同じです。マイナスに着目するより日々魚を食べる習慣をつけることを大切にしましょう。

魚を食べる際の注意点・ポイント


魚で健康効果を得るためにも、食べる際に覚えておいてほしいポイントを4つお伝えします。

1.塩分量に注意

魚を調理する際は、濃い味付けにしないようにしましょう。「煮魚は薄味にする」「刺身は醤油をつけすぎないようにする」「焼き魚に醬油をかけない」といった工夫が必要です。特に高血圧の方は塩分摂取量が多くならないようにしましょう。

2.アニサキスに注意

刺身を食べる場合はアニサキスが潜んでいる可能性があるため、十分に注意が必要です。特に自分で魚をさばいて刺身にする際は、新鮮な魚を選びましょう。

詳しくは厚生労働省の情報をご確認ください
アニサキスによる食中毒を予防しましょう

3.ビタミンB群・Dを一緒に摂る

魚に含まれるたんぱく質を代謝するには、ビタミンB群が必要です。主にビタミンB2、B6が必要になるため、魚を食べる際は一緒に食べるとよいでしょう。また、カルシウムの吸収率を上げるためにビタミンDを一緒に摂るのがおすすめです。

ビタミンB2
 ・レバー、ウナギ、カレイ、卵、納豆など

ビタミンB6
 ・鶏肉、赤身肉、マグロ、カツオ、バナナなど

ビタミンD
 ・キノコ類、サケ、卵など

4.食べにくい場合はとろみをつける

魚は加熱するとパサつくこともあるため、人によっては食べづらさを感じるかもしれません。その場合はあんなどでとろみをつけて、飲み込みやすくするとよいでしょう。ほかにもすり身状にしてつみれにする、ハンバーグ状にするなど食べやすさを工夫するのがおすすめです。

魚は体にうれしい効果がたくさん

魚はたくさんの健康効果を秘めた、体にうれしい食べ物です。毎日は食べられなくても、週3~4日程度食べる習慣をつけることで、健康効果を得やすくなるでしょう。
また、今回紹介しなかった魚にもたくさんの栄養が含まれているため、できるだけさまざまな魚を食べるのがおすすめです。

日々の食卓に魚を登場させて、毎日の健康維持に役立ててくださいね。

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参考文献

[1]オメガ3とアトピー性皮膚炎 | オメガ3-食と健康に関する委員会 | 日本脂質栄養学会
[2]魚を食べると高血圧リスクは減少 EPA・DHAの効果 「魚を1日100g以上」が目安 | ニュース | 保健指導リソースガイド

この記事を書いた人

端場愛
管理栄養士
学生寮や老人保健施設で実務経験を積んだのち、フリーランスの管理栄養士に。食べ物と体の関係を分かりやすく伝え、少しでも多くの人に健康になってもらうことを目標に、ライターとして活動中。

監修者紹介

木村眞樹子医師
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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