
糖尿病でも外食OK!血糖値を上げない食べ方とおすすめメニュー3選

糖尿病でも外食はしてよい?
血糖値のコントロールが気になり、なかなか外食にいけない方もいるでしょう。確かに、外食は量が多い、味付けが濃いなどで自炊よりも血糖値のコントロールは難しいのは事実です。しかし、外食でもあるポイントをおさえれば血糖値のコントロールは可能です。
血糖値を気にせず外食を楽しむためにも、まずは外食がなぜ血糖値の乱れにつながりやすいかを知ったうえで、血糖値の急上昇をおさえる外食の食べ方のコツを理解しましょう。
外食の注意点

まずは、外食がなぜ血糖値のコントロールが乱れやすいといわれているかを確認しましょう。これを知ることで今後の血糖値のコントロール対策がとりやすくなりますよ。
量が多い
外食は基本的に量が多いです。一般的に、ごはんは普通盛りでも250~300gもあります。糖尿病の食事療法の指標である「糖尿病食事療法のための食品交換表」では、1600kcalの指示エネルギーの場合、1食のごはんの量は150gです。このことからも、外食のごはんの量の多さが分かりますよね。
さらに、場所によってはおかずの量も1人前以上となり、食塩の摂り過ぎにもつながるおそれがあるのです。糖尿病がある方は高血圧のリスクも高くなるとされるため、食塩の摂取量にも気を付けたいものです。
あぶらや糖が多い
外食では、おいしさを追求するため、味付けが濃かったりあぶらの使用量が増えたりします。そのため、血糖値の急上昇がおきやすいだけでなく、油の作用で血糖値が下がりにくくなるおそれもあるのです。さらに、油はカロリーが高く、摂り過ぎは体脂肪増加の原因にもなります。体脂肪が増加するとインスリンが効きづらい状態につながり、さらなる血糖値の上昇が起きるおそれもあります。
以上のことから、血糖値と体重、どちらのコントロールのためにも外食を頻回に利用するのは避けたいのも事実です。
野菜や魚のメニューが少ない
一般的に、野菜や魚の摂取量が多いと血糖値のコントロールがしやすいとされています。しかし、外食は野菜や魚のメニューが少なく、自然と肉や加工品などの摂取が増えてしまいます。特にソーセージやベーコンなどの肉の加工品の摂取が多いと、血糖値の乱れにつながるだけでなく、高血圧症や脂質異常症のリスクが高まるおそれもあるのです。
外食で血糖値を上げすぎないコツ5選

外食がなぜ血糖値が上がりやすいかがわかりましたね。次に、血糖値を上げにくい外食のポイントを5つ紹介します。血糖値を気にせずに外食を楽しむためにも、以下を意識してみてください。
1. ごはんは小盛りにする
2. 定食や野菜のサイドメニューを積極的に選ぶ
3. 野菜やたんぱく質から先に食べる
4. よく噛む
5. アルコールは20g程度にする
まずは血糖値が上がりやすいごはんを、あなたの適正量に出来る限り近づけましょう。ごはん小盛りで約茶碗1杯程度なので、基本は小盛りを選んでください。ごはんを減らした分、満足感を高めるためにも、小鉢の多い定食系を選んだり野菜のサイドメニューを追加したりするようにしてください。
麺類を食べるときは食物繊維が不足しやすいため、もやしやわかめなどのトッピングを追加できるとよいですね。さらに、食べ方も重要です。野菜やたんぱく質から食べたりよく噛んだりすることで、血糖値の上昇が緩やかになることがわかっています。
またお酒については、医師からの指示がない限り飲んでも問題はありません。しかし、合併症予防としてアルコール換算で20gまでにすると良いですね。各お酒の純アルコール量20g相当の量は以下です。
(表1)純アルコール量20g相当の酒量
お酒の種類 | 量 |
ビール | 中瓶1本(500ml) |
日本酒 | 1合(180ml) |
ハイボール | 3合缶1本(原液60ml) |
ワイン | ワイングラス2杯(200ml) |
このように、量や食べ方を意識すれば、外食でも血糖値の良好なコントロールは叶います。
外食組み合わせ例3選

外食での血糖値の急上昇をおさえるポイントを紹介しましたが、いざ実践するとなると、どんなものを食べたら良いか迷う方も多いのではないでしょうか。そこで、血糖値を上げすぎない外食例を紹介します。まずはここを真似て、徐々にコツをつかんでくださいね。
焼さば定食
【栄養価】
カロリー 615kcal
たんぱく質 32g
脂質 22g
炭水化物 84g
食塩相当量 4.7g
さばといった青魚の脂は、脂肪燃焼や血液サラサラ作用も期待できます。さらに、魚にはビタミンDやカルシウムなど、骨の健康を維持する栄養素も豊富です。実は、糖尿病がある方は、骨粗鬆症や骨折のリスクが約2倍高まるとされています。骨の健康を維持するためにも魚は積極的に選びたいですね。
注意点としては、塩さばは食塩が多いため、高血圧対策として漬物や味噌汁を摂り過ぎないようにしましょう。例えば、味噌汁を残した場合、4.7gから2.7g程度まで食塩相当量が減らせますよ。また、さばは脂が多い種類のため、カロリーオーバーとならないよう、ごはんは必ず小盛りにしてください(外食での小盛りの目安:約160g)。
※【大手外食チェーン3社の小盛り平均より算出】
かけそば+鶏天+卵+わかめとねぎ
【栄養価】
カロリー 515kcal
たんぱく質 32g
脂質 16g
炭水化物 65g
食塩相当量 3.5g
一般的にそばは、うどんや中華麺よりもGI値(グリセミック・インデックス)※が高いため、麺類を食ぶ際は積極的にそばを選べると良いですね。しかし、麺類全般の傾向として、たんぱく質や食物繊維が不足しやすい、早く食べ終えてしまうため、血糖値は上がりやすいです。そのため、鶏肉や卵、わかめやねぎなどで必要な栄養素を補ってあげましょう。
また、よく噛むことも血糖値の上昇を穏やかにする作用が期待できますので、ぜひ意識してみてください。
※GI値(グリセミック・インデックス):血糖値の上昇のしやすさの指標のこと。低いほど血糖値の上昇は緩やかとされる。
牛皿定食にサラダ
【栄養価】
カロリー 740kcal
たんぱく質 27g
脂質 29g
炭水化物 37g
食塩相当量 3.3g
手軽に食べられる牛丼ですが、実はたれがごはんに染み込むことで、必要以上に糖や食塩を摂り過ぎてしまい、血糖値や血圧上昇のおそれがあるのです。さらに、サラサラとした形状にもなり、かき込みやすくなるため早食いにつながります。
早食いは血糖値の上昇や食べ過ぎの原因のため、このデメリットを解消するためにもごはんと牛皿の定食形式にしてみましょう。余分な調味料は皿に残りますし、ごはんにたれがしみ込まないため、早食い防止にもつながります。ごはんを小盛り(約160g)にすることや、野菜の追加も忘れずに意識してくださいね。
食べる楽しみは諦めなくていい
外食はごはんの量が多い、味付けが濃いことから、血糖値の乱れにつながるおそれがあります。しかし、組み合わせや食べ方を意識すれば、血糖値を気にすることなく楽しめます。ポイントは、ごはんの小盛り、野菜とたんぱく質をそろえることです。また、食べ方も非常に重要で、野菜やたんぱく質を先に食べたりよく噛んだりすることで、良い血糖値のコントロールにつながるのです。外食の特徴を知り、心から楽しみましょう。