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外食での腎臓病向け食事ガイド 〜たんぱく質量を意識して腎臓の負担を減らす食べ方〜

外食は、家族や友人との時間を楽しむ機会であり、忙しいときの食事の選択肢にもなります。生活の中で、外食を避けることが難しい場面もあるでしょう。

一方で外食は、量や味付けを自分で細かく調整しにくいという特徴があります。腎臓病の食事療法に取り組んでいる方にとっては、たんぱく質や塩分の摂取量に配慮した食事を意識する必要があるため、外食時の料理選びや量の判断に迷うことも少なくありません。

本記事では、たんぱく質量を中心に、外食時に意識したいポイントと取り入れやすい工夫を解説します。

目次


腎臓病の方が外食で気をつけたい基本ポイント


腎臓病の食事療法では、たんぱく質や塩分、エネルギーなどの摂取量に配慮することが基本になります(注1)。 外食の料理は、家庭の食事に比べて量が多めで味付けも濃い傾向があります。そのため、栄養量が多くなりやすい点に気をつけたいところです。

外食が続くと、知らないうちにたんぱく質や塩分を多く摂ってしまうことがあります。取り入れる頻度やタイミングについても、日々の食事全体の中で考えていくことが大切です。

外食では、出された量をそのまま食べきるのではなく、料理の内容や量を見ながら調整することも意識しましょう。

腎臓病とたんぱく質の関係


たんぱく質は、筋肉や臓器、免疫機能を維持するために欠かせない栄養素です(注2)。一方で、腎機能が低下している場合には、たんぱく質の代謝によって生じる老廃物を処理する腎臓への負担を考え、摂取量に配慮した食事管理が必要になります(注1)

慢性腎臓病(CKD)では、進行の程度(ステージ)に応じて体重あたりのたんぱく質摂取量の目安が示されています(注1)。

CKDステージによる食事管理の違い

慢性腎臓病(CKD)では、腎機能の低下の程度(ステージ)によって食事管理の内容が異なります(注1)。

●ステージ1〜2(G1〜G2)では、たんぱく質の過剰な摂取を避けることが基本とされています。

●ステージ3a(G3a)では、体重あたりのたんぱく質量を0.8〜1.0g/kg/日を目安に調整することが示されています。

●ステージ3b〜5(G3b〜G5)では、腎臓への負担を考慮して0.6〜0.8g/kg/日を目安とした管理が行われます。


たとえば体重60kgの場合、0.6〜0.8g/kg/日を目安とすると、1日あたりのたんぱく質量は約36〜48gとなります。

具体的な摂取量は、検査値や体格、合併症の状況によって変わるため、医師や管理栄養士の指示を基準にします。

外食でよく使われる食品のたんぱく質量(目安)

外食では、肉や魚などの主菜だけで1食分のたんぱく質量に近づくこともあります。代表的な食品に含まれるたんぱく質量を知っておくと、外食時のメニュー選びの参考になります(注3)。


食品目安量(可食部)たんぱく質量
焼き鮭(切り身)約80g約23.3g
さば塩焼き約90g約22.7g
鶏もも肉(焼き・ソテーなど)約100g約26.3g
豚ロース(とんかつ用など)約100g約26.7g
卵(Mサイズ)1個(約50g)約6.1g
牛乳200ml(約200g)約6.8g
絹豆腐1/4丁(約100g)約5.3g
納豆1パック(40g)約6.6g

※文部科学省,「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」を参考に算出した概算値

※食品の種類や使用量は店舗や料理によって異なります。

塩分管理が腎臓を守る鍵になる


腎臓病では、たんぱく質と並んで塩分管理も重要です。

塩分を多く摂ると、体内のナトリウムを排出するために腎臓へ負担がかかります(注4)。また、血圧上昇を招き、腎機能の悪化につながる可能性もあります(注1,4)。

一般的に、腎臓病の方では1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが目標とされます(注1)。しかし外食では味付けや調味料の使用量が多くなりやすく、スープ類や丼もの、麺類のスープ、ドレッシングやソースなどから塩分を多く摂りやすい傾向があります。

ラーメンを例に挙げると、塩分の多くがスープに含まれています。スープを飲み干さずに残すことで、摂取する塩分量を抑えることにつながります。

減塩の具体的な方法については、下記の記事で詳しく解説しています。

■関連記事:減塩習慣を始めよう!塩分を控える理由と減塩のコツ

外食中にできる具体的な工夫


外食では、料理の選び方や量、食べ方を工夫することで調整しやすくなります。

丼ものや麺類は主菜と主食が一体になっており、量の調整がしにくい形式です。一方、定食は主菜と副菜が分かれているため、全体量を確認しながら調整しやすい特徴があります。

料理の選び方でたんぱく質量を調整する

外食では、料理の内容によってたんぱく質量が大きく変わることがあります。

たとえば、カツカレーのように肉が中心の料理よりも、コロッケカレーや野菜カレーを選ぶと、たんぱく質量を抑えやすくなります。

また、定食では主菜に加えて副菜が複数つくことがあります。豆腐や卵料理など、たんぱく質を含む小鉢が重なると、合計のたんぱく質量が増えやすくなります。

料理を選ぶときは、主菜だけでなく、副菜や小鉢の内容も含めて全体の組み合わせを見ることが大切です。

外食時の食べ方の工夫

外食では、次のような食べ方の工夫も役立ちます。

●肉や魚など主菜の量を意識し、必要に応じて小皿に取り分けて調整する

●レモンや香辛料で風味を加え、少ない量でも満足感を得やすくする

●腹八分目を心がけ、無理に食べきらない

●大盛りや追加注文は控える


栄養成分表示のある店舗では、エネルギーやたんぱく質、塩分量を確認します。食べきれない量がある場合は持ち帰りが可能か確認し、衛生面や店舗のルールに従います。

カリウム・リンの摂取量にも目を向ける

腎臓病の進行状況によっては、カリウムやリンの摂取量にも配慮が必要になります。

慢性腎臓病ではステージ4以降で、カリウム摂取量を1日1500mg以下を目安に抑えることが示されています(注1)。

カリウムは野菜や果物、いも類、海藻などに多く含まれます(注5)。外食では、サラダや果物、デザートなどが多くならないよう、量や組み合わせを意識します。

リンは肉や魚、卵、乳製品、加工食品に多く含まれます(注6)。腎機能が低下すると体内に蓄積しやすくなるため、摂取量の調整が必要になることがあります。加工肉やチーズを多く使ったメニューは重なりやすいため、内容を確認します。

肉や魚など、たんぱく質を多く含む食品にはリンも含まれることが多く、たんぱく質量を適正に保つことが、リン摂取量を抑えることにもつながります(注1)。

外食前後の食事で整える方法

外食は1食だけで考えるのではなく、前後の食事と合わせて1日単位、場合によっては数日単位で調整していくことも大切です。

夜に会食の予定がある場合は、朝や昼の食事でたんぱく質や塩分を控えめにするなど、外食の前後で食事全体のバランスを考えます。


・取り皿に分けて量を調整する
・主食は必要に応じて低たんぱくごはんを取り入れる
・麺類や汁物では、スープを飲み干さないようにする
・ドレッシングやソースはかけすぎないようにする

宅配食を上手に活用するという選択肢

外食の前後や調整が難しい日に、栄養成分が管理された宅配食を活用する方法もあります。

たとえば、武蔵野フーズの「健康美膳 たんぱく調整食セット」は、1食あたりエネルギー300kcal、たんぱく質10g以下、カリウム500mg以下、食塩相当量約2gに設計されています。数値が明確なため、1日の配分を考える際の目安にしやすい点が特徴です。

冷凍タイプのおかずセットで、必要なときに温めて利用できます。外食と組み合わせながら、全体のバランスを整える選択肢の一つになります。

詳細はこちらをチェック

【まとめ】外食と上手に付き合うために

腎臓病がある場合でも、ちょっとした工夫で外食を取り入れやすくなります。料理の量や内容を確認しながら、たんぱく質や塩分の摂り過ぎに気を配ることがポイントです。

定食のように主菜と副菜が分かれた料理を選んだり、麺類や汁物ではスープを飲み干さないようにしたりするなど、無理のない工夫を取り入れてみましょう。

外食は1食だけで考えるのではなく、前後の食事と合わせて全体のバランスを整えることも役立ちます。体調や検査値に合わせて、自分に合った食事の取り方を考えることが大切です。

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参考文献

注1)日本腎臓学会,「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」
注2)厚生労働省,健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~「たんぱく質(たんぱくしつ)」
注3)文部科学省,「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
注4)厚生労働省,「みんなで知ろう! からだのこと」
注5)日野市役所,「食育コラム 令和7年9月」
注6)小宮茜ほか:リン代謝調節機構―腸管リン酸輸送の理解―.日本栄養・食糧学会誌.2024;77(4):247–253.

この記事を書いた人

横川仁美
管理栄養士
管理栄養士の資格を取得後、保健指導や重症化予防を中心に2500人以上へのアドバイス提供。 現在は食専門ライター×料理研究家として執筆・監修、 また企業のブランドイメージに沿ったレシピ提案を行っている。

監修者紹介

木村眞樹子医師
東京女子医科大学医学部卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事している。 妊娠、出産を経て、また産業医としても働くなかで予防医学への関心が高まった。 医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる前の人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行っている。

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    1. おせち料理とは?~健康と長寿を願う伝統料理 お正月に欠かせないおせち料理には、実は「節(せつ)」という言葉に由来があります。 「節」とは、季節の変わり目や年中行事のことを指し、古くは一年の中で特に大切な時期に神様へ感謝を伝えるための料理を「節の料理」、つまり「おせち」と呼びました。 江戸時代には、人日(1月7日)、上巳(3月3日)、端午(5月5日)、七夕(7月7日)、重陽(9月9日)の「五節句」が定められましたが、現代ではその中でも最も重要な節である「正月」に食べる料理をおせちと呼ぶようになりました。 もともとは身近な食材を調理したものをカミにお供えし、その後に家族で分かち合う「直会(なおらい)」の儀礼として行われていたものが、時を経て豪華な重箱料理として定着しました。地域や家庭によって詰める料理はさまざまですが、それぞれに健康や長寿、豊作などの願いが込められています。 ここでは一例として、三段の重に分けた場合をご紹介します(注1)。 ●一の重:祝い肴・口取りなど ●二の重:酢の物・焼き物など ●三の重:煮物など 2. 糖尿病・腎臓病の方が知っておきたい「おせち」の特徴 おせちは、保存性を高めるため、砂糖や塩を多く使うのが特徴です。そのため、糖尿病や腎臓病の方は、味付けや食材の選び方、量に注意して食べることが大切です(注2,3)。 注意したいポイント ●甘味が強い:砂糖やみりんを多く使うため、糖質が高くなりやすい ●塩分が多い:塩や醤油を使う料理が多く、塩分摂取量が増えやすい ●リン・カリウムが多い:魚卵や肉類、黒豆、根菜、昆布などは腎臓病の方は控えめに おせちを食べる際は、主治医や栄養士に相談し、量や種類を調整すると安心です。 2-1. 主なおせち食材・料理の栄養価(参考) ここでは、文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づき、おせちで使われる主な食材や料理の栄養価の目安をご紹介します。 成分は食品や料理の種類・調理法によって変わるため、あくまで参考値です。糖尿病や腎臓病の方は、必ず主治医や栄養士と相談しながら量を調整してください(注4)。 量エネルギー(kcal) たんぱく質(g)糖質(g)カリウム(㎎)リン(mg)食塩相当量(g) 甘露煮(日本ぐり)20g460.416.31550 田作り(かたくちいわし)5匹(10g)306.71.41602300.2 数の子(塩蔵・水戻し)1本(20g)163.00.1※0.4190.2 黒大豆(茹で)10粒程度(20g)312.90.3※96440 だて巻き(水産練り製品)1切(30g)574.45.633360.3 かまぼこ(蒸し・水産練り製品)2切(30g)283.63.333180.8 【参考】文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 ※糖質は、差引き法による利用可能炭水化物を記載しています。 3. 糖尿病・腎臓病でも楽しめる!減塩も意識したおせちの工夫 3-1. 食べる量とタイミングを意識 おせちは種類が多く、つい手が伸びてしまいがちです。小皿に少しずつ盛りつけると食べすぎを防げます。また、食事の時間を決めて食べ、間食のように少しずつつまむのは控えましょう。 3-2. ゆっくり味わう ひと口ずつよく噛むことで満腹感が得られ、食べすぎを防げます。噛むほどに素材のうま味が感じられ、薄味でもおいしくいただけます。 3-3. 素材の味を生かす かずのこやかまぼこ、昆布巻などの加工品は塩分が多めです。醤油や塩を足さず、そのままの味を楽しむと、体に配慮しながら味わえます。 3-4. 調理の工夫でおいしく 砂糖や塩を控えめにし、だしや香味野菜の風味を生かすと、自然なうま味が引き立ちます。 さらに、下茹でや水にさらすなどの下処理を加えることで、カリウムや塩分を減らしつつ、素材の色や香りも楽しめます。 こうしたひと手間で、薄味でも満足感のある一品に仕上がります。 3-5. 盛りつけで工夫 彩りや器でも工夫しましょう。小さめの器や重箱を使うと、自然と食べる量が控えめになります。紅白や緑などの色を意識して盛りつけると、少量でも華やかに見えます。 3-6. 体調を気づかいながら お正月は食べる機会が増える時期です。体重や血糖値を確認しながら楽しみましょう。必要に応じて、糖質や塩分を調整した市販のおせちを取り入れるのもおすすめです。 3-7. 塩分を控える工夫を確認 これまでご紹介した「よく噛む」「素材の味を生かす」「調味の工夫」は、日常に取り入れやすい減塩の基本です。 お正月のおせちだけでなく、普段の食事でも意識することで、塩分を控えながら食事を楽しめます。 さらに詳しい減塩の工夫や具体例は、こちらの記事をご覧ください。 ■関連記事: 減塩習慣を始めよう!塩分を控える理由と減塩のコツ 4. おせち料理の具材と込められた願い、食べ方の工夫 ここでは、一の重~三の重の主な具材と、それぞれに込められた意味、さらに糖尿病や腎臓病の方も工夫して食べられるポイントをご紹介します(注1)。 4-1. 一の重(祝い肴・口取り) ●栗きんとん 漢字で書くと「金団」。黄色を黄金に、栗を小判に見立て、「今年も豊かな一年でありますように」との願いが込められています。 工夫:甘露煮のシロップは加えず、必要に応じて低カロリー甘味料で甘みを調整します。栗はカリウムを多く含むため、一度に食べすぎないように。 ●田作り 昔は乾燥させた小魚を田んぼの肥料にしていたことからこの名がつきました。豊作を祈る意味を持ち、別名「ごまめ」とも呼ばれます。 工夫:醤油は最後に少量だけ和えて塩分を控えめに。小魚はカリウムやリンが多いため、量に注意。 ●かずのこ ニシンの卵。ニシンは「卵が多い=子がたくさん生まれる」とされ、子孫繁栄や子宝を願う縁起物です。 工夫:塩抜きを行い、漬け汁はだし汁と薄口醤油でシンプルに。彩りとして少量加えると華やかさが増します。 ●黒豆 「まめに暮らす」という意味から健康を祈る料理です。黒色には邪気を払う力があるとされます。 工夫:甘さを控えめにじっくり煮て香りやほくほく感を楽しみます。カリウムやリンが多いため、茹でこぼしで調整し、量も控えめにすると安心です。 ●たたきごぼう 根が深く張ることから、「家庭や家業が地に根を張って安定するように」との意味があります。 工夫:少量ずつよく噛むことで満腹感が得られ、血糖値の急上昇を抑えやすくなります。 ●伊達巻 巻物の形から学問や文化の繁栄を象徴します。 工夫:砂糖を控えめにし、出汁の風味を生かすと甘さを抑えつつ美味しく味わえます。 ●かまぼこ 半円形は日の出を表し、紅は「めでたさ」や「魔除け」、白は神聖な色とされています。 工夫:塩分が高めなので、追加の醤油は不要。素材の味を楽しみましょう。 4-2. 二の重(酢の物・焼き物など) ●えび 「腰が曲がるまで長生きできるように」という長寿の象徴。赤色は魔除けの意味もあります。 工夫:食べる量を調整し、甘みや旨味を生かして煮ると満足感が得られます。 ●なます 大根とにんじんの紅白が祝いの水引を表しています。 工夫:凍らせて脱水すると塩分を減らせます。ゆずの皮で香りを加えると薄味でも楽しめます。 ●ぶり 出世魚で、出世や成功を願う縁起物です。 工夫:脂の多い部分は少なくするとカロリーや脂質を抑えられます。大根おろしを添えると、さっぱり味わえます。 4-3. 三の重(煮物など) ●昆布巻 「よろこぶ」に通じ、幸福や喜びを祈る縁起物です。 工夫:カリウムが多いため茹でこぼし、塩分は表面に軽くからめる程度に。 ●れんこん 穴が空いていることから「先が見通せる」ことを象徴します。 工夫:下茹ででカリウムをある程度減らし、食べやすくします。ゆっくりよく噛むことで満腹感も得られます。 ●筑前煮(煮しめ) 根菜や山の幸を使い、豊かな収穫や家庭の安定を祈る料理です。彩りも豊かで正月料理に華を添えます。 工夫:下茹でしてカリウムを減らすと食べやすく、ゆっくりよく噛むことで満腹感も得られます。 どの料理も甘味や塩分が強い場合は、少量ずつ食べ、他の料理と組み合わせると健康に配慮しながら楽しめます。 5. 健康に配慮したおせちで新年を迎えよう おせちは、家族の健康や幸せを願う意味が込められた伝統料理です。糖尿病や腎臓病の方がおせちを楽しむ場合も、量や食べ方、調理の工夫を取り入れることで、体への負担を抑えながら味わえます。たとえば、塩分や甘味を控えめにしたり、少しずつ味わって食べることで、血糖値や腎機能への影響を和らげることができます。また、彩りや食感を工夫すると、少量でも見た目や味わいをしっかり楽しめます。 体調や数値に合わせて無理なく調整しながら、減塩を意識したおせちも含め、安心して新しい年を迎える工夫として取り入れてみましょう。

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    腎臓病の方にとっておやつが必要な理由 おやつは単なる嗜好品ではなく、心と体の健康維持につながります。 食事制限によるストレスの軽減 腎臓病の食事制限は厳しく、食べたいものが食べられないという状況は大きなストレスとなります。おやつは、食事とは違った楽しみを味わえ、いつもの単調な食事からくるストレスを一時的に忘れさせてくれるもの。医師や管理栄養士と相談の上、病状に合わせたおやつを選ぶことで、心の負担を軽減し、治療を続けるモチベーションを保つことにつながります。 食事量不足によるエネルギー不足の補給 制限される食材が多いことから、食欲不振がある場合には、必要なエネルギーや栄養素が不足しがちです。特に高齢の患者さんは低栄養になったり、体重が減少したりするリスクが高まります。そういった方にとっておやつは、少量でも手軽にエネルギーを補給できるため、低栄養状態を防ぎ、体力の維持に役立てるお助けアイテムとなるのです。 精神的な満足感とQOLの向上 おやつは、単なる栄養補給ではありません。精神的な満足感をもたらし、生活の質の向上(QOL)に大きく役立ちます。好きなものを少量でも食べられるという喜びは、日々の生活にメリハリが生まれ、きゅうくつな食事制限の中でも前向きな気持ちを保つモチベーションとなるでしょう。また、家族や友人と一緒におやつを楽しむ時間は、コミュニケーションの機会にもなり、孤立感を防ぐ上でも重要です。 腎臓病のおやつの基本の考え方 おやつを選ぶ際も、食事療法の考え方をベースとします。ここでは、覚えておいてほしい基本の3点をご紹介します。 塩分・たんぱく質・カリウム・リンが控えめのおやつを選ぶ 腎臓病の食事療法では、塩分、たんぱく質、カリウム、リンの摂取量を制限することが基本となります。おやつを選ぶ際も同様で、これらの成分が多く含まれているおやつを選んでしまうと、普段の食事で制限していても、トータルでの摂取量が増えてしまい、腎臓に負担をかけてしまう可能性があります。  【食事療法中は控えたいおやつの例】 ・塩分の多いおやつ:スナック菓子、珍味(するめ、さきいか)など ・たんぱく質の多いおやつ:豆菓子、魚肉ソーセージ、乳製品(ヨーグルト、チーズ)など ・カリウムの多いおやつ:ドライフルーツ、チョコレート、ナッツ類、いも類のおやつ(スイートポテト)など ・リンの多いおやつ:乳製品、いも類のおやつ、チョコレート、ナッツ類など これらの成分が控えめなものを選ぶか、管理栄養士と相談して摂取量を調整しましょう。 食事を基本に+αでおやつを取り入れる おやつは、あくまで通常の食事で不足しがちな栄養を補ったり、気分転換を図ったりするための「+α」と捉えましょう。おやつで必要な栄養を摂ろうとすると、かえって特定の成分を過剰摂取してしまう可能性があります。 おやつの目安としては、1日の必要エネルギーの約10%程度(100〜200kcal程度)に抑えるのが一般的です。市販品であれば、栄養成分表示を必ず確認し、手作りの場合は、使用する食材の成分を考慮して工夫することが大切です。 食べる量は決めておく 「少しだけ」「もう一口だけ」といった気持ちから、ついつい食べ過ぎてしまうのがおやつです。そこで、袋から直接食べるのではなく、まずはお皿に食べる分だけ出してから食べ始める、小袋に入ったおやつを選ぶ場合は1袋だけにする、などの工夫が有効です。残りはすぐに棚にしまうなど、目に入らない場所に片付けることで、食べ過ぎを防ぐことができます。事前に量を決める習慣をつけることで、無理なく食事療法を続けられるでしょう。 腎臓病の方におすすめのおやつ ここでは、腎臓病の方におすすめのおやつとその栄養価をご紹介します。[1]ぜひ日々のおやつ選びの参考にしてください。 種類1個当たりの重量(g)エネルギー(kcal)たんぱく質(g)カリウム(mg)リン(mg)塩分(g) 飴5(1粒)1900.100 水ようかん80(1個)1342.113.618.40.08 八つ橋24(1個)660.98.410.10 くず餅95(1個)880.11.02.90 みたらし団子55(1本)1071.832.528.60.33 せんべい(しょうゆ)15(1枚)551.019.5180.2 リーフパイ21(1個)1171.216.28.80.02 シャーベット100(1本)1280.995220 ※栄養価はメーカーによって異なるため、パッケージをよくご確認の上、選ぶことをおすすめします。 飴 飴は、主に砂糖でできており、手軽にエネルギーを補給できます。たんぱく質やカリウム、リンなどの腎臓病で制限が必要な成分がほとんど含まれていないため、安心して食べられるおやつの一つです。ただし、糖分の摂りすぎには注意し、適量を心がけましょう。食欲がない時のエネルギー源としても役立ちます。 水ようかん 小豆にはカリウムが多く含まれますが、水ようかんは小豆を水で薄めているため、比較的カリウムが少なくなります。また、たんぱく質も控えめなので、安心して食べやすいでしょう。口当たりよいため、食欲がないときでも食べやすいおやつです。 生八つ橋 京都銘菓の生八つ橋も、カリウムやリンの含有量が少なく、安心して食べられます。特に、つぶあんよりもこしあんタイプがおすすめです。もちもちとした食感と上品な甘さが特徴で、少量でも満足感を得やすいでしょう。 わらび餅・くず餅 わらび餅やくず餅は、たんぱく質、カリウム、リンのいずれも少ないのが魅力です。ただし、添えられている黒蜜はカリウムが多く含まれるため、かけすぎには注意が必要です。きな粉もカリウムやリンを含むため、少量にするか、なしで食べるのが良いでしょう。 みたらし団子 お団子の主成分である米粉は、カリウムもリンも比較的少ないため、安心して食べられます。1本でも満足感があり、食べ応えもあるので、小腹を満たすのに最適です。ただし、タレの塩分量には注意し、食べ過ぎないようにしましょう。 せんべい せんべいは、塩分が多めなので、たくさん食べることはおすすめできません。しかし、小袋に入ったものを選び、1袋だけにするなど量を決めて食べるのであれば、許容範囲内です。また、塩分の少ない南部せんべいを選んだり、減塩タイプのせんべいを選ぶと、より安心して食べられます。 リーフパイ リーフパイのようなパイ系のお菓子も、食べ過ぎなければ比較的カリウムやリンが少ない傾向にあります。中でも小袋に入ったものなら、量をコントロールしやすくおすすめです。 無果汁のシャーベット 暑い日や食欲がない時にも食べやすいシャーベットですが、果汁を使ったものはカリウムが多くなりやすいので注意が必要です。そのため、サイダー味やレモン味など、果汁をほとんど使用していないタイプを選ぶのがおすすめです。 腎臓病用おやつ 市販の腎臓病用おやつは、栄養成分が調整されているため、より安心して食べられます。「アガロリー」や「エネルギーゼリー」、「エネプリン」のようなゼリー状のものから、たんぱく質調整ビスケット、カステラ、せんべいなど、さまざまな種類があります。日々の食事管理をされている中で、より安心しておやつを選びたい方は、これらの商品を活用するのもおすすめです。 腎臓病のおやつに関する注意点 おやつは腎臓病の食事療法を続ける上で大切な役割を果たしますが、いくつか注意すべき点があります。 水分制限がある方はおやつの種類に注意 腎臓病のステージや尿の出方によっては、医師から水分制限の指示が出ることがあります。このような場合、知らず知らずのうちに水分を摂りすぎてしまわないよう、おやつの種類にも注意が必要です。 腎臓病のステージや尿の出方によっては、医師から水分制限の指示が出ることがあります。このような場例えば、ゼリーやプリン、アイスクリームなどは、見た目以上に多くの水分を含んでいます。喉越しの良いこれらのおやつは、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、水分制限がある場合は摂取量に気をつけましょう。医師や管理栄養士と相談し、水分量を確認しながら、適切なおやつを選ぶことが大切です。 必ずかかりつけ医・管理栄養士の指示に従う 腎臓病の進行度合いや合併症の有無など、患者さん一人ひとりの状態は大きく異なります。そのため、必要な食事制限の内容も人それぞれです。インターネットや本で得た情報だけで、「これは大丈夫だろう」「これはやめておこう」と自己判断してしまうのは大変危険です。 おやつを選ぶ際も、必ずかかりつけ医や管理栄養士の指示に従ってください。何を食べても良いのか、どのくらいの量なら許容されるのかを具体的に確認し、適切な指導を受けることが大切です。 おやつを取り入れて上手に腎臓病と付き合おう おやつは日々のストレスを和らげ、必要なエネルギーを補給できるため、腎臓病患者さんにとって大切な役割を担っています。おやつを選ぶ際の基本は、食塩、たんぱく質、カリウム、リンが少ないものを選ぶことです。これらのポイントを押さえ、食事療法を無理なく続けながら、おやつを楽しみましょう。

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